2019年3月26日(火)

企業は株主との対話深め経営に磨きを

2017/6/30 2:30
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3月期決算企業の株主総会がほぼ終わった。株主が企業統治(コーポレートガバナンス)のあり方や成長戦略を厳しく問う場面は例年になく多かった。

ガバナンス改革の一環として、機関投資家の行動規範を記したスチュワードシップ・コードが2014年に制定されてから、今年で4年目となる。企業に意見を表明する投資家は、アクティビストと呼ばれる一部のもの言う株主だけではなくなった。企業は投資家との幅広い対話を通じて経営を磨く必要がある。

今年の株主総会の特徴のひとつは、取締役の選任に厳しい目が注がれたことだ。例えば、三菱自動車の総会では、益子修最高経営責任者(CEO)の取締役選任への賛成率が82%にとどまった。

一般に、経営トップの取締役選任は満票に近い支持を得ることも珍しくない。賛成率が8割台にとどまったのは、昨年発覚した燃費不正問題の責任をとるべきだと考える株主の批判が反映されていると見ることができる。

今年の総会のもうひとつの特徴は、株主提案が全体で200件超と過去最高に達したことだ。利益還元を求めたり独自の社外取締役を立てたりするなど、内容も多岐にわたるようになった。

黒田電気は、もの言う株主が提案した社外取締役の選任議案が可決された。一般株主がガバナンス強化の視点で、もの言う株主の提案を冷静に検討する時代になったことを、企業は留意すべきだ。

企業側の出した議案への反対が多かったり株主提案への賛成が増えたりした背景には、機関投資家の姿勢の変化もある。

今年から資産運用会社などを対象に、議決権行使の個別開示制度が始まっている。運用会社はどの会社のどの議案に、賛否どちらを投じたか一件ずつ開示するようになった。運用会社は株主価値の向上を第一に考えて議決権を行使するよう求められ、会社側には厳しいと感じられる投票結果となる可能性も高まった。

企業は経営を理解してもらうために、株主との対話を増やす必要性が増している。特定日に集中する傾向が残る総会をさらに分散すれば、企業はより多くの株主の声に接することができるだろう。

もちろん、経営者が業績や経営戦略を語る場は総会に限らない。機動的な情報開示と説明が何よりも重要だ。

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