2019年3月26日(火)

スマホ「敗戦」に何を学ぶか

2017/6/27 2:30
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米アップルのスマートフォン(スマホ)「iPhone」が29日、発売から10年の節目を迎える。販売台数は累計10億台を超え、各地の人びとが場所を問わずにネットを使う礎を築いたといえる。

一方、iPhoneをはじめとするスマホの普及は、通信機器をつくる日本企業に深刻な影響を及ぼした。

NECパナソニックがスマホから撤退し、販売地域を縮小する動きも相次いだ。日本企業はこの「敗戦」を教訓に、次の事業展開を進める必要がある。

iPhoneが成功した理由のひとつは、使い勝手の向上に向けてソフトを重視したことだ。高度なものづくりを自負する日本では当初、「iPhoneの機械としての性能は低い」との見方もあった。だが、基本ソフト(OS)の性能を高めて快適に使えるようにし、販売を拡大した。

日本でもソフトが競争力を左右する傾向が強まっていることを認識し、人材育成や、技術者が働きやすい環境整備を急ぐべきだ。

アプリと呼ぶソフトを開発する外部企業や個人を取り込み、「経済圏」を築いた功績も大きい。便利なアプリが増え、普及に弾みがついた。

通信会社に依存せず、独自に戦略を練って世界展開を進めた点にも学びたい。日本では歴史的に、NTTドコモなど通信会社の影響力が大きかった。ネット接続サービス「iモード」は国内で成功したが、国際展開でつまずき、通信機器を納める企業も苦境に陥った。

今後、世界では第5世代(5G)と呼ぶ高速で多くの機器を接続できる次世代の通信規格の普及が始まる。自動車や産業用ロボットなど多くの製品がネットにつながるIoTの基盤になる。

この分野で出遅れるようなことがあれば、現在の日本を支える多くの産業の競争力が低下しかねない。技術開発や事業計画の立案にスマホの失敗を通じて得た知見を生かし、二の舞いを避ける必要がある。

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