2019年1月20日(日)

まずは豊洲の不安をぬぐえ

2017/6/21 2:30
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築地市場の豊洲移転問題を巡って、東京都の小池百合子知事が今後の基本方針を示した。予定通りに豊洲に市場を移したうえで、5年後をめどに築地を食のテーマパークとして再開発するという。

都が設置した土壌汚染対策に関する「専門家会議」は、豊洲市場について「法的にも科学的にも安全」という見解を表明している。一方、現在の築地で市場を再整備するのは時間も費用もかかる。

老朽化が著しく、衛生面でも問題がある築地市場の現状も踏まえれば、豊洲にできるだけ早く移転することが望ましい。

23日に告示される都議会議員選挙でも築地問題は争点のひとつになる。地域政党「都民ファーストの会」の代表でもある小池知事が選挙前に一応の方向性を示したことは評価したい。

ただし、これで問題がすんなりと収まるとみるのは早計だろう。昨年8月末に知事が移転延期を表明して以降、豊洲市場を巡って様々な問題が発覚した。地下水の調査では依然として環境基準を上回る有害物質が検出されている。

移転するまでの間に、小池知事は自らの言葉で豊洲の安全性について市場関係者や都民に繰り返し説明すべきだ。盛り土がない地下空間をコンクリートで覆うなどの追加対策を着実に進め、風評を払拭する必要がある。

豊洲市場の開場後の赤字を抑える対策も要る。築地のブランド力を生かして跡地を有効活用するのはもちろん、都内各地にある卸売市場の再編成も視野に、持続的な市場のあり方を引き続き検討すべきだろう。

知事が示した方針はおおむね妥当だが、豊洲に移転するめどを明言しなかった点は残念だ。これでは業者は先行きが見通せないままだ。再開発後の築地に戻りたい仲卸業者は支援するとも述べたが、これも具体性に欠けた。

豊洲と築地の両方に配慮したためか、知事の説明は終始、あいまいだった。今後の予定などについても早く明らかにしてほしい。

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