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ペルシャ湾に広がる亀裂の修復を急げ

サウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)、エジプトなど中東諸国が相次ぎカタールとの国交を断絶した。カタールによるテロ組織への支援が理由だという。

サウジとカタールはともにペルシャ湾に位置する世界有数の石油・天然ガス産出国である。その亀裂は世界経済の不安定要因となる。国際社会は関係修復を促す努力を急がねばならない。

断交を主導したとみられるサウジが理由としているのはカタールと、イランや各地のイスラム原理主義組織との関係だ。サウジがイランを敵視するのに対し、カタールはイランに融和的な姿勢を示してきた。

一方で、カタールはシリアでの米軍主導の軍事作戦に、サウジとともに加わっている。カタールが疑念を招く過激派への支援を控えることは当然だが、イランに近いとの理由で孤立に追い込むのは中東の分断を深めるだけだ。

トランプ米大統領がツイッター上で、断交を支持するともとれる発言をしたのは残念だ。サウジとカタールはともに米国の重要な同盟国だ。米軍は中東での軍事作戦の拠点となる空軍基地をカタールに置く。両国の融和を促すことが米国の役割のはずだ。

同じ時、イランの首都テヘランでは国会議事堂やイラン革命の指導者、故ホメイニ師をまつる廟(びょう)を狙った同時テロ事件が起き、過激派組織「イスラム国」(IS)が犯行を表明した。

これまでほとんどテロがなかったイランにISは矛先を向けた。イスラム過激派の掃討を掲げる米国やサウジに必要なのは、イランとの敵対でなく連携である。

秋田県ほどの面積のカタールは豊かな天然ガス資源をてこに急成長を遂げた。液化天然ガス(LNG)は世界最大の生産能力を持つ。2022年にはサッカーのワールドカップも開かれる。

サウジはカタールとの陸上の国境を閉鎖し、物資の多くをサウジ経由で輸入するカタールでは買いだめが起きているという。カタールを結ぶ航空路も相次ぎ閉鎖されるなど、混乱が広がっている。

サウジは日本にとって最大の原油調達先だ。カタールからもLNG消費量の約2割を輸入する。今回の事態をめぐってはトルコやクウェートなどによる仲介が始まっている。サウジ、カタールと良好な関係にある日本も、事態収拾に積極的に役割を果たすべきだ。

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