2019年5月23日(木)

株主総会の分散さらに進めよ

2017/6/8 2:30
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株主総会シーズンがやってきた。集中日の6月29日には3月期決算企業の約3割が開催する。特定の日に総会が集中する度合いは過去最低となるようだ。

かつて多くの企業は、経営陣を威嚇する総会屋の出席を封じるために、株主総会を横並びで同じ日に開いていた。1990年代には集中日に9割を超える企業が総会を開催した。

現在は企業統治(コーポレートガバナンス)改革が進み、一般株主が複数の総会に出席しにくくなる集中開催への批判が強まった。総会の分散化は、企業が株主との対話を通じて企業価値を高める機会を増やす。この流れをさらに進めていきたい。

2000年代に入り、企業は総会を分散させるため、開催日の前倒しに努めてきた。決算の終了後、できるだけ早く総会を開くことが株主の利益にかなうとの考え方からだ。しかし、企業側の総会の準備短縮には限界がある。株主にとっても総会が早まりすぎると、議案の賛否を考える時間が不足する弊害が生じかねない。

このため、総会の7月開催を視野に入れてはどうかとの提案が経済産業省などから上がり始めた。総会開催の早期化の流れに逆行するようだが、株主が議案を検討する時間の余裕は生まれる。

多くの株主総会が6月下旬に開催されるのは、企業が決算期末の3月末と議決権発生の基準日を同じにしていることが影響している。企業は定款を変更し基準日を変えられる。前例にとらわれる必要は必ずしもない。

前例を踏襲しないという意味では、総会の7月開催とは別に、一部企業が始めている総会の週末開催も注目すべき動きだ。個人株主が総会の会場に足を運びやすくするための取り組みだ。

分散化が進んできたとはいえ、株主総会を6月下旬の平日に開く慣習は根強い。株主との対話を深めていくにはどうすべきか。柔軟に考えることが、ガバナンス改革の進展に欠かせない。

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