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株価上昇が持続する条件は

日経平均株価が1年半ぶりに2万円台を回復した。株価上昇が映すものは、日本経済再生への期待だ。政府と企業は市場の発するメッセージを受け止め、改革を進めなければならない。

世界を見渡すと、高成長のIT(情報技術)企業が多い米株式市場が投資資金を引きつけ、他国に好影響が及ぶという構図だ。日本の株価上昇は世界の動きに引っ張られている面もある。

グローバル経済のなかで株価の動きが世界的に連動するのは自然なことだ。しかし、日本の場合は海外動向によって株価が過度に乱高下することが米欧より多い。日経平均の2万円台回復を契機として、日本の株価上昇が安定して続く条件を考えたい。

世界の有力な資産運用会社などの話を聞くと、日本は潜在成長率を高める構造改革が足りないとの指摘が多い。具体的には労働市場の改革や、新産業を育てるための規制緩和だ。

残念ながら、安倍政権の経済政策であるアベノミクスへの投資家の期待は、一時ほど高いものではない。政府はあらためて経済再生への決意を示し、成長戦略を着実に実行することにより、市場の信認を高める必要がある。

企業もなすべきことは多い。アベノミクスの一環として企業統治の改革が進んだとはいえ、株主重視でない企業は多い。経営情報の開示をいっそう進めるとともに、利益もさらに積極的に還元するなどして、長期保有の株主を増やすことが必要だ。

成長分野に思い切って投資する一方、採算の低い事業から素早く撤退するなど、企業レベルの構造改革も欠かせない。それによって、資本効率の低さという積年の経営課題を克服すべきだ。

1990年代初めのバブル崩壊以降、日経平均が2万円台を回復し再び割り込むということが、何度かあった。株価回復に安心して国も企業も改革の歩みを鈍らせたことが大きな要因の一つだ。その愚をくり返してはならない。

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