人口減が問う地方議会の姿

2017/5/27 2:30
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高知県北部に位置する大川村が議会に代わって「町村総会」を設ける検討を始めた。過疎化と高齢化で議員のなり手が不足していることが理由という。

大川村は人口が約400人の村だ。鉱山の閉山やダム建設に伴う移住などでピーク時に比べて人口は10分の1に減っており、65歳以上の高齢化率は4割を超す。「平成の大合併」時には周辺の自治体との合併を求めたが、実現しないまま現在に至っている。

村議会の定数は6人。2年後の村議選に向けて候補者を確保できる見通しが立っておらず、代替案の検討が必要になった。

地方自治法は町村に限って、議会をなくして有権者全体で構成する総会を設置することを認めている。直接民主制への移行ともいえ、戦後の短期間、東京都宇津木村(現在の八丈町の一部)が設置した事例がある。

町村総会ならば住民の意見を直接、行政に反映しやすくなるだろう。議員がいなくなるのでその分、経費も削減できる。

一方、総会が成立する要件や総会で決める案件の範囲など、詰めなければならない課題も多い。現在の議会のルールを踏襲すれば「有権者の半数以上の出席」が必要になるが、病院や福祉施設に入っている高齢者が多い大川村で、現実的なのかどうか疑問だ。

現在、人口が千人に満たない町村は全国に約30ある。合併ができなかった地域も多いだけに、総務省も協力して、町村総会の具体像を検討すべきだ。

大川村に限らず地方議員のなり手不足は深刻な問題だ。2015年の統一地方選では、候補者が定数を超えなかったため、町村議員の5分の1が無投票で当選した。

町村議員の報酬は月20万円前後だから、生活費がかさむ子育て世代などは立候補しづらい。議会は通常、平日の昼間に開かれるので、一般の会社員が仕事をしながら議員を兼務することも難しい。

人口減少時代の地方議会のあり方も改めて問い直す必要がある。

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