2019年9月15日(日)

春秋

2017/5/22 2:30
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米国ではカーター大統領が就任し、中国共産党が文化大革命の終結を宣言した1977年。日本である漫画雑誌が産声をあげた。小学館の「月刊コロコロコミック」だ。小学校4~6年生の男の子を主な読者層に、少子化などどこ吹く風と、現在も約80万の部数を誇る。

▼息の長いヒットの秘訣は何か。9代目編集長が「日経MJ」紙で語っていた。「女の子やおしゃれに興味をもったら、快くコロコロを卒業してください」。読み手が成長してもコンテンツを変えず、時に「下品」と批判されながらもコアなファンの好みに従ったゆえだろう。「恋目覚めた男子追わず」の見出しが目を引く。

▼むろん、その好みの追求には貪欲だ。雑誌の誕生と軌跡を紹介する「コロコロ創刊伝説」によると、インベーダーゲームや四輪駆動のプラモデル、ファミコンなど子供が興味を寄せるホビーを素早く作品化し連載した。「漫画に描けないものはない」が編集部のモットーという。中学受験を題材にした一編もあったほどだ。

▼コロコロは草創期、人気の「ドラえもん」がたっぷり読めるのが売りだった。5~6月号には作者の藤子・F・不二雄の姿を弟子が回顧した漫画を載せている。人柄がにじむ佳作だ。最先端を追うだけでなく、40年前に井戸を掘った先人にも敬意を払う。そんな温かみを幼い読者が分け持つならば、出版文化にとり心強い。

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