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バスケ経営に駆けた1年 残るはB2制覇B1昇格
グロービス経営大学院学長 堀義人氏(66)

2017/5/17 6:30
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 「あー、終わっちゃった」。プロバスケットボールチームのサイバーダイン茨城ロボッツのBリーグ初シーズンが終わった。最後は7連勝で、しかも最終戦では2700人を超える観客が詰めかけた。いずれもチーム新記録だ。達成感とともに一抹の寂しさを感じている。

 3月1日時点では15勝25敗で6チーム中5位に沈んでいたが、最終的には32勝28敗の2位まで盛り返した。2年半前に運営会社が破綻、昨季は観客数・成績とも最下位のチームがここまで躍進した。僕がロボッツの取締役オーナーに就いてからこれまでの1年を振り返りたい。

 昨年のシーズンが終わってから開幕までは、本当に忙しかった。スポンサー集め、チームの編成、つくば市から水戸市への事務所の引っ越し、スタッフの採用、シーズンチケットの販売、ファンクラブの募集などだ。チーム編成では、2人の選手しか残らなかった。

 取締役オーナーとしてまず4つの目標を掲げた。(1)スポンサーの倍増(2)観客の倍増(3)B1ライセンスの取得(4)B2制覇B1昇格――だ。

 1つ目のスポンサー倍増を達成するためにトップ営業に力を入れた。グロービスではもう自ら営業をしなくても良い立場だ。だが今回はロボッツのためにスポンサー候補企業を足しげく訪問した。ホームの試合ではスポンサーやその候補企業の方々と一緒に応援した。得点の度に立ち上がってハイタッチした。一体感が生まれ、スポンサー数は増えていき、目標を超える数のスポンサーを獲得できた。サイバーダインやアダストリアをはじめとする数多くのスポンサーには本当に頭が下がる思いだ。

 苦労したのが2つ目の観客の倍増だ。茨城には県域民放テレビ局も県域FMラジオもない。知名度を高めるには、地道に足で稼ぐしかないのだ。僕は水戸とつくばの駅前で合計4回チラシを配った。SNS(交流サイト)でも積極的に来場を呼びかけた。「ロボッツ」についてツイッターでつぶやいている人に返事を書いたり「いいね」を押したりすることが日課となった。ロボッツは着実に水戸・茨城に浸透し、倍増達成は確実となった。

堀義人(ほり・よしと)1986年京大工卒、住友商事入社。米ハーバード大経営大学院で経営学修士号(MBA)取得後、92年にグロービス設立。「ヒト・カネ・チエの生態系を作り社会の創造と変革を行う」ことを目標に、経営大学院の経営、ベンチャーキャピタルの運営、経営ノウハウの出版・発信を手掛ける。茨城県出身。55歳。

堀義人(ほり・よしと)1986年京大工卒、住友商事入社。米ハーバード大経営大学院で経営学修士号(MBA)取得後、92年にグロービス設立。「ヒト・カネ・チエの生態系を作り社会の創造と変革を行う」ことを目標に、経営大学院の経営、ベンチャーキャピタルの運営、経営ノウハウの出版・発信を手掛ける。茨城県出身。55歳。

 3つ目の目標であるB1ライセンスの取得は、水戸市長をはじめとする関係者の方々のご支援があり、本年3月1日に達成できた。一番頭を抱えたのがチームの成績だった。4つ目の目標であるB2制覇B1昇格は来季に持ち越された。

 新米取締役オーナーの僕は、この1年間でひたすらバスケとプロスポーツ経営を理解すべく努力をした。結局ロボッツの60試合中29試合を生で見た。B1の試合も3試合観戦した。

 ロボッツの試合会場に行けないときは、スポーツの生中継サービス「スポナビライブ」で観戦した。いつも興奮しながら、応援し続けた。ロボッツ自慢のチアリーダーは毎試合笑顔で盛り上げてくれた。負けて落ち込んでいるときにどれだけ癒やされたことか。

 ロボッツのフロントスタッフも10人近くとなった。ほぼすべてが新入社員だ。山谷拓志代表という素晴らしいリーダーのもと、やっと経営が軌道に乗り始めた感じがする。早速来週には、スタッフ全員参加の経営合宿を予定している。売り上げを今季からさらに倍増させるための戦略を練るつもりだ。

 5月中旬には水戸市長も参加する面白い記者会見をする予定だ。水戸の街中再生にバスケの力を使うのだ。ロボッツが新機軸をどんどん打ち出して、地域の活性化につなげたい。

 この1年間は、本当に楽しかった。僕のふるさとの水戸・茨城にこういう形で貢献できるのは幸せなことだ。そして、本年9月末にBリーグ2季目が始まる。やり残したB2制覇B1昇格を実現すべく、ロボッツが再起動する。水戸青柳アリーナの開幕戦で会いましょう。

[日経産業新聞2017年5月12日付]


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