2019年2月23日(土)

マクロン氏は仏経済再生と欧州の安定を

2017/5/9 2:30
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欧州の混乱を心配する世界をひとまず安堵させる結果となった。

フランスの次期大統領に、欧州連合(EU)の統合維持や経済改革の推進を掲げる中道系独立候補のマクロン元経済産業デジタル相が選ばれた。極右政党、国民戦線(FN)のルペン氏を決選投票で大差で退けての勝利だ。

厳しい移民制限やEUからの離脱を問う国民投票など、排外的で過激な政策を掲げるルペン氏が大統領になれば、欧州の不安定化は避けられなかった。

欧米で目立つポピュリズム(大衆迎合主義)的な政治の広がりが、欧州の中核国フランスで歯止めがかかったことを歓迎したい。

マクロン氏は39歳と若く、2大政党のいずれにも属さない新鮮さが有権者を引き付けたようだ。極右の大統領誕生を阻もうとする票が集まったことも後押しし、一気に頂点に駆け上がった。

欧州統合を支持し、開かれた経済を堅持する立場であることは心強い。ドイツとの連携を強めながら、欧州の安定、成長やユーロ圏の運営強化に向けて手腕を発揮してほしい。

優先的に取り組むべき課題は停滞が長引く経済の再生だ。

フランスは経済成長が勢いを欠き、失業率は10%前後で高止まりしている。労働市場などの改革が遅れ、欧州随一の経済力を誇るドイツとの差は大きい。

企業の活力強化をめざす姿勢のマクロン氏は、規制緩和や法人税減税を説いている。改革を着実にやり遂げて成長力を回復させることが、分断の目立つ仏社会を安定させるうえでも欠かせない。

敗れたとはいえ、ルペン氏は決選投票にまで勝ち進み、支持の根強さを見せつけた。共和党、社会党という2大政党の候補がいずれも第1回投票で敗退し、既成政党への不満が強いことも示したのが今回の選挙だ。

内向きで保護主義的な主張がなぜ共感を呼ぶのか、その背景に目を向けながら改革を進めることが必要となる。マクロン氏が国民の期待にこたえられないと将来、再び排外的な政治家が政権をうかがう事態も考えられるだろう。

最初の関門は6月の議会選挙だ。マクロン氏の政治運動団体「前進」が十分な議席を獲得し、安定した政権基盤を築けるかどうかが焦点となる。フランス史上最年少の大統領の、改革に向けた決意と実行力に注目したい。

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