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タイバーツ、対ドルで高止まり 中銀や産業界、警戒広がる

通貨番付

タイバーツが対ドルで約1年8カ月ぶりの水準で高止まりし、中央銀行や産業界に警戒感が広がっている。タイの国内総生産(GDP)の約3分の2に達する輸出の回復の足を引っ張る恐れがあるためだ。

3月末以来、ほぼ一貫して1ドル=34.5バーツを上回るバーツ高が続く。年明け後の上昇率は約4%と東南アジア通貨で最大だ。「今年の輸出の伸びは1.5~2%にとどまるかもしれない」(タイ荷主協議会のノッポン会長)。こんな慎重な見方が早くも出始めた。

短期のバーツ高要因は年4回の米利上げ観測が後退したことだ。外国からの資金が短期国債などに流入した。構造的なバーツ高要因として大きいのはGDPの1割に上る経常収支の黒字だ。2016年は468億ドル(約5兆円)と前の年から5割近く増え、2年連続で過去最大となった。

原油安や内需回復の遅れで輸入が減り、ほぼ横ばいだった輸出との差が広がった。今年も1~2月だけで黒字は100億ドルに達し、バーツ高が収まる兆しはまだみられない。

タイ中銀も通貨高への警戒感を強めている。12日に公表された3月29日の金融政策委員会の議事録要旨によると、急激な為替変動を抑えるための政策手段が議論されたもよう。会合後、中銀は短期国債の当面の発行額を計画比800億バーツ(約2500億円)減らす方針をまとめ、地元メディアに明らかにした。

米商務省によると、米にとってタイは昨年、10番目に大きい貿易赤字相手国(189億ドル)だった。米トランプ政権の出方が不透明ななか、タイ中銀もうかつには通貨高是正に動けない。

(バンコク=小谷洋司)

先週(10~14日)の外国為替市場で主要25通貨のうち、最も上昇したのは日本円だった。トランプ米大統領による「ドルが強すぎる」との発言で、ドルを売り円を買い戻す動きが強まった。最も下落したのは韓国ウォン。朝鮮半島を巡る地政学リスクが意識された。

[日本経済新聞夕刊4月18日付]

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