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商機はこれから ドローン飛び交う時代の新サービス

(藤元健太郎)

災害調査やビジネスの空撮などで小型無人機(ドローン)の商用利用が本格化している。今後はビジネス利用にとどまらないだろう。未来のコンセプトかと思われた米アマゾン・ドット・コムのドローン配送に関し、昨年末から英国で実験がスタートした。日本でもウェブやアプリとドローンを組み合わせた消費者向けサービスが相次ぎそうな予感が出てきた。

その兆しの1つとも受け取れそうなドローンが登場した。先日国内で発表された室内用の超小型ドローン「DRONE STAR 01」は、1万5000円と手ごろな価格にもかかわらず高性能だ。わずか18グラムの重量ながら30万画素のカメラも内蔵し、飛ばしながらの撮影も可能だ。また気圧センサーで自らの高度を保ちやすくなる機能も内蔵している。

エンターテインメント性としては、リモコンにスマートフォン(スマホ)を装着し、アプリを起動して操縦できるようにしているのがポイントだ。このアプリには楽しみながら操縦方法を練習できる機能も内蔵されている。かつてブームになったミニ四駆のようにドローンでレースするといった楽しみにつながり、個人のホビー需要を掘り起こしそうだ。

このドローンとアプリを発表したORSO(オルソ)の坂本義親代表は「ハードウエアは中国勢が性能のいいものを出しており、日本企業が競争するには正直厳しい。しかしこれからはソフトやサービス開発が価値になる」と語る。実際ORSOでは中国DJIと組んでドローン事業者・操縦者とドローンを活用したい人をマッチングするサイトも運営している。今は空撮や点検を簡単に依頼できるが、消費者向けなどの新しい需要をどんどん発掘する予定だ。

農業にも動きがある。ユニークな試みが精密農業だ。ドローンに搭載にされたマルチスペクトルセンサーを使い、田んぼの状況をデータ化してネット経由で送り、細かい作業を効率的に行う。手間のかかる無農薬・無化学肥料による米の生産も効率よく生産できる。「ドローン米」という名のパック商品にもつながっている。

観光分野も注目だ。ドローンで撮影し、自然の生態系を維持したまま特別なスポットを観光できるような体験型のアクティビティーとしての可能性も注目されている。また仮想現実(VR)と連動することで遠隔地の観光体験をリアルタイムで体験することも可能になっている。体験価値こそにお金を払うという消費トレンドにあった新しい切り口が生まれつつある。

今後の技術向上や標準化、制度整備など課題もまだまだ多いが、可能性がある分野もある。例えば小さい女の子が1人で外出していても、いつもすぐ近くでドローンが見守りながら画像を逐次保護者に届ける、ハンディキャッパーの盲導犬の代わりにドローンが遠隔と通信しながら誘導するといった切り口は、社会的ニーズも高そうだ。

アマゾンのようなドローン輸送が簡単になると、限界集落と呼ばれているようなところでこそネットとドローンを融合した最先端の暮らしが普及する可能性もある。

ドローンの普及啓蒙活動をしている慶応義塾大学の「ドローン社会共創コンソーシアム」の千葉功太郎氏は「ドローンが当たり前のように日常に溶け込んでいるドローン前提社会を今後は考えるべきだ」と提唱している。ドローンがあることを前提にしたネットサービスの開発はまだチャンスがたくさんある領域といえる。

(D4DR社長)

[日経MJ2017年4月14日付]

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