2019年4月22日(月)

景気好循環へ企業は縮むな

2017/4/4 2:30
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足元の業況は悪くないが、先行き不安はなお消えない。日銀が3日発表した3月の全国企業短期経済観測調査(短観)では、企業のこのような景況感が明らかになった。米トランプ政権の政策や為替相場など不安材料を数えればきりはないが、企業が縮こまりすぎると景気の好循環はおぼつかない。

企業の足元の景況感を示す業況判断指数は、大企業・製造業で2四半期連続で改善、非製造業や中堅、中小企業でも好転している。米欧など海外経済の回復、前年に比べればなお円安水準の為替相場、東京五輪をにらんだ建設需要などから、多くの企業は足元の景気は底堅いとみている。ところが3カ月後の先行きを示す業況判断指数は、製造業、非製造業とも軒並み悪化を見込んでいる。

最大の不安は、保護主義的な政策に傾くトランプ米政権の政策やそれに伴う為替相場の変動など海外要因だ。政府は今月に予定している日米経済対話などを通じて、米国に世界経済や市場に動揺をもたらしかねない極端な政策をとらないようクギをさすべきだ。

企業の不安材料のもう1つは深刻な人手不足だ。雇用人員判断指数は、全規模・全産業でバブル崩壊直後の1992年以来25年ぶりの人員不足の水準だ。特に宿泊・飲食サービスなど中小企業では、人手不足が経営上の難題となっている。

人手不足に対応した雇用市場改革や、規制緩和など構造改革を通じた政府の成長戦略も、こうした企業の不安をとりのぞくには欠かせない。

ただ、民間企業も先行きを過度に心配して身を縮めるときではない。雇用が回復して、賃金が上がり、消費が増えて、さらに企業収益が拡大するという好循環をもたらすには民間企業のがんばりが欠かせない。

先行き不安に駆られて設備投資や人材確保のための賃上げを抑えると、かえって不安が現実になってしまう恐れもある。政策も大事だが、企業も踏ん張りどころだ。

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