2019年4月26日(金)

韓国社会の危うさ映す逮捕劇

2017/4/1 2:30
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韓国の朴槿恵(パク・クネ)前大統領が巨額収賄などの容疑で逮捕された。旧友の国政介入に端を発した政治混乱は、大統領の罷免に続き、間髪を入れぬ逮捕という異例の事態に至った。

検察当局は朴前大統領をめぐる一連の疑惑が職権を乱用した「重大な事案」で、証拠隠滅の恐れもあるとして逮捕状を請求。ソウル中央地裁がその可否を審査し、逮捕が適当と判断した。

朴前大統領は疑惑が浮上して以降、国民に真相を明らかにせず、罷免されるまで検察の聴取も拒否してきた。かたくなで不誠実な態度が事態を悪化させ、国政を混乱させたことは疑いない。その意味で前大統領の責任は重い。

ただし前大統領は先週、検察による初の事情聴取を受けたばかりだ。しかも一連の容疑を全面否認したとされる。罷免によって逮捕・起訴が可能になったとはいえ、短期間で逮捕まで一気に突き進んだ経緯には違和感も覚える。

前大統領の逮捕は社会的な反響が大きいうえ、5月9日には大統領選を控える。国内では政治や社会への影響を抑えるため、在宅起訴するか、逮捕するにせよ選挙後にすべきだとの声も根強かった。

それにもかかわらず、罷免に続く逮捕へと事態が急展開したのはなぜか。国民の多くが前大統領の逮捕を求めるなか、国民感情への配慮が検察の対応や司法の判断に影響した面は否定できない。

国内では依然、朴前大統領を支持する保守層も少なくない。今回の逮捕により、社会の亀裂がさらに深まる恐れがある。大統領選は革新系の野党候補が勢いを増しそうだが、朴政権の政策まで全面否定するようだと、社会融和の道はより険しくなる。危うい韓国社会の行方を憂慮せざるを得ない。

一方、大統領経験者の逮捕は盧泰愚、全斗煥両氏に続き3人目となった。他の経験者も汚職などの醜聞を抱えていた。大統領への過度の権限集中を含め、現行の政治制度がふさわしいかどうかを検証する必要もあるのではないか。

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