2019年4月23日(火)

小学生でも組み立て可 ロボットで学ぶプログラミング
山田 剛良(日経テクノロジーオンライン副編集長)

2017/4/6 6:30
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若年層向けのプログラミング教育への機運が高まる中、ロボットを使ったプログラミング教材に新顔が登場してきた。結果が画面上で完結する通常のプログラミング教材と異なり、ロボットの動きで成功失敗を体感しやすい。ロボット自体を作る作業も含め、子供が楽しみながら学べるなどの利点がある。

「クーブ」はブロックで組み立てたロボットを、自作のプログラムで動かす

「クーブ」はブロックで組み立てたロボットを、自作のプログラムで動かす

「プログラミングとものづくりを一緒に学べるようにしたかった」と話すのは、ソニー・グローバルエデュケーション(SGED、東京・品川)の礒津政明社長。同社が2月18日に発売した「KOOV(クーブ)」はカラフルなブロックを使って自分で組み立てたロボットを、自分が作ったプログラムで動かせる。

クーブは7種類の形状を持つカラフルなブロックとモーターやセンサーなどの電子部品ブロック、電子部品を制御するコントローラーから成る。プログラムはパソコンの専用アプリで直感的に作れるよう工夫した。

小学生や中学年が「全部自分で作って学ぶ」(磯津氏)狙いがある。作品例やプログラム例を用意し、順を追って学んでいける「学習コース」も用意する。

同様の教材製品にはレゴの「レゴ・マインドストーム EV3」があり、教育の現場で広く使われている。これに対し、子供の創造性を引き出すためにブロックの種類を絞り、コントローラーに汎用品を採用して、他の企業や個人が機能を拡張していけるようにした。

SGEDは2015年4月にソニーとソニーコンピュータサイエンス研究所が設立した企業。将来的には「全世界的に使われる教育プラットフォームとして普及させたい」(磯津氏)とする。

やまだ・たけよし 東工大工卒、同大院修士課程修了。92年日経BP社に入社、「日経エレクトロニクス」など技術系専門誌の記者、日本経済新聞記者を経て16年から現職。京都府出身、50歳

やまだ・たけよし 東工大工卒、同大院修士課程修了。92年日経BP社に入社、「日経エレクトロニクス」など技術系専門誌の記者、日本経済新聞記者を経て16年から現職。京都府出身、50歳

「創業メンバーの子供たちにプログラミングを教える教材を作りたいとの話から開発がスタートした」と話すのはfor Our Kids(福島県会津若松市)の秦優共同創業者。プログラミング教材ロボット「PETS(ペッツ)」の開発を主導した。

ペッツは箱形の本体にモーターで動くタイヤが付いたロボット。上面に開いた12の穴に命令ブロックを差し込んでプログラミングする。パソコンやタブレットなどを使わずにプログラミングの基礎を学べるのが売りだ。

小学校低学年の子供が扱いやすいサイズのシンプルな設計。本体は木製材料でできていて見た目や触り心地がやさしい。

完成品のほか、部品を詰め合わせた組み立てキット、制御回路などのプリント基板と設計データだけを提供し、本体の加工や部品集めから自力で行う「ギークキット」も提供予定だ。「エンジニアの親が子供と一緒に作ってほしい」(秦氏)という狙いだ。

ペッツは現在、世界発売と量産を目指し、クラウドファンディングによる資金調達を実施している。そのプロモーションの一環として、今年3月に米国で開かれた教育関連の展示会「SXSWedu」に出展した。「米国でも子供たちの反応は日本と全く同じ。言葉で説明しなくても勝手に試し始めた」(秦氏)

教育業界では最近、「STEAM(科学・技術・工学・アート・数学)」という新しいコンセプトが提唱されている。昨今の若年層向けプログラミング教育のブームもこうした動きの一つだ。

公立小学校の全学年でプログラミング授業を実践している小金井市立前原小学校の松田孝校長は、「ロボットを使ったプログラミング授業は必須」と話す。机上で完結しがちなコンピューターの世界と、ものづくりとを結ぶ体験になるからだ。子供たちのウケもいいこの分野、今後さらに企業が参入する市場になりそうだ。

[日経MJ2017年4月3日付]

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