2019年4月26日(金)

司法の注文受け止め再稼働を

2017/3/31 2:30
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原子力発電所の再稼働の可否をめぐり大阪高裁と広島地裁が相次いで運転を認める判断を示した。

大阪高裁は関西電力高浜3、4号機(福井県)について、昨年3月に大津地裁が出した運転差し止めの仮処分を取り消した。広島地裁も四国電力伊方3号機(愛媛県)について、住民らによる差し止め仮処分の申し立てを退けた。

これらの原発は国の安全審査に合格し、伊方3号は昨年8月に再稼働している。大阪高裁、広島地裁はともに「国の審査に不合理な点はない」と結論づけた。過去の原発訴訟では、安全性をめぐる専門的な判断は規制当局に委ねるとの判例が示されており、今回もそれに沿った決定といえる。

同時に、裁判所は電力会社や国による安全確保の取り組みに厳しい注文もつけた。大阪高裁は「(事故時の)避難計画は様々な点で改善の余地がある」とし、広島地裁も、起こりうる地震をより慎重に考慮するよう四国電に求めた。

関電や四国電はこれらの注文をしっかり受け止め、安全な再稼働や運転継続に万全を期すべきだ。国も自治体に協力し、防災計画の実効性を高める必要がある。

とくに高浜原発では1月にクレーンが倒れる事故が起き、原子力規制委員会や地元が関電の管理体制に懸念を示している。関電は安全対策を再点検し、地元の理解を得て再稼働させるべきだ。

東京電力福島第1原発の事故後、各地で原発の差し止め訴訟や仮処分の申請が続いている。国の安全審査が妥当か、安全性を立証する責任は誰にあるのか、避難計画は十分かなどが争点になり、裁判所が異なる根拠から正反対の判断を下す例も出ている。

司法が判断を積み上げ、一定の目安ができることが望ましい。

仮処分は即時に効力をもち、稼働中の原発が止まれば経済や産業に影響が及ぶ。高浜原発は大津地裁の差し止め決定後、関電の異議申し立てによる地裁の再審理を経て今回の決定まで1年かかった。審理の迅速化も考えるべきだ。

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