2019年4月19日(金)

英とEUは離脱交渉で前向きな着地探れ

2017/3/31 2:30
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英国が欧州連合(EU)に離脱を通知し、原則2年後となる離脱に向けた準備と交渉の期間が始まった。

独仏と並ぶ欧州の中核国である英国の離脱は、世界経済にも大きな影響を及ぼす。混乱を避けるには、来年の秋ごろまでに離脱条件などの交渉にめどをつけなければならない。

EUは英国に厳しく臨む姿勢を見せており、交渉は難航が予想される。先が見えないまま時間切れで離脱に追い込まれることのないよう、両者は冷静に話し合い、的確な着地点を見いだしてほしい。

離脱に伴い、英国とEUの間の人、モノ、資本などの自由な移動は大幅に制約される恐れがある。英国を拠点に欧州各地で事業展開をしてきた企業は影響が避けられない。

既に人員配置の見直しや欧州大陸側での機能強化に動く企業も出ている。日本企業も離脱交渉の行方を注視し、さまざまな事態を想定して対応を考える必要がある。

英国の離脱は昨年の国民投票で決まった。離脱派の主張を踏まえて、英政府はEUからの移民抑制を優先する方針だ。そのうえでEU市場への最大限のアクセスを望むが、EU側には「いいとこ取りは認めない」という空気がある。

英国に甘い態度を取り同様の動きが加盟国の間に出ることをEUは警戒している。とはいえ、英国に大きな罰を与えようとして建設的な貿易関係の再構築を拒めば、双方のためにならないだろう。

EU側は、英国が未払いのEU予算分担金の扱いなど離脱条件の交渉を進めないと、通商など将来の関係を定める協定に応じない構えをみせる。この「将来協定」を結ぶには時間がかかる見通しだ。

離脱後に空白が生じ、関税が跳ね上がるといった事態が起きないよう、適切な移行期間を設けることも焦点になる。

英国ではEU離脱方針を受け、北部スコットランドで独立問題が再燃するなど、国としての求心力が低下する恐れも出ている。離脱の影響を抑え、連合国家の基盤を堅持できるかが問われる。

離脱しても英国はEU各国の重要なパートナーであることに変わりはない。経済から安全保障分野まで、強固な関係を続けていくことが欧州の安定と繁栄に不可欠だ。英国とEUは、新たな関係を前向きに構築していくことを明確に世界に示してほしい。

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