2019年4月20日(土)

銀行は運用力を競い合え

2017/3/30 2:30
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大手信託の三井住友トラスト・ホールディングスみずほフィナンシャルグループ(FG)が傘下の資産管理銀行を統合・合併することで基本合意した。超高齢化社会を迎えた日本にとって、資産運用の重要性は増すばかりだ。銀行は体制の効率化を進め、運用実績の向上に努めてほしい。

資産管理銀の業務は一般の銀行とは大きく異なる。企業や年金基金といった機関投資家から有価証券を預かって、決済や配当の受け取り、株主総会の議決権行使といった事務手続きを代行し、手数料を得るビジネスだ。

三井住友トラストとみずほは2017年度末までに資産管理銀の統合について最終契約を結び、早期の実現を目指す方針だ。これまで資産管理分野は、両行に三菱UFJFG系列を合わせた3行がシェアを分け合う構図だった。

大手銀行がグループの枠組みを超えて手を結ぶのは異例だ。背景には資産管理事業が低収益だという事情がある。新たに誕生する資産管理銀の預かり資産残高は合計669兆円(昨年9月末)と巨額だが、最終利益(15年度)は合わせて14億円にとどまる。

運用手法や資産の中身が多様化するなか、継続的なシステム投資も欠かせない。高収益が見込みにくい事業だけに、統合によって規模の利点を追求し効率運営につなげるのは妥当な経営判断だ。

肝心の資産運用で銀行は強い逆風に直面している。マイナス金利政策の導入で国内の運用環境は厳しく、預金者が受け取れる金利は微々たるものだ。海外に目を向けてもトランプ政権下の米金融市場の行方は見通しにくく、欧州でも英国の欧州連合(EU)離脱をはじめ波乱材料が山積している。

三井住友トラストとみずほ両社は、今回の部分提携をきっかけに本体同士の接近につながる可能性を否定している。各銀行は他社との提携も含む様々な手段でコスト削減を推し進める一方、運用力ではそれぞれ競い合い、顧客の資産形成に貢献してほしい。

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