2019年4月19日(金)

医療と介護の効率的な連携で無駄を省け

2017/3/30 2:30
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政府は2018年度、医療サービスと介護サービスの公定価格を同時に改定する。改定に向けた議論が厚生労働省の審議会で本格的に始まった。

日本では25年に団塊の世代が全員75歳以上の後期高齢者となる。急速に医療・介護需要が増えると予想され、医療費と介護費の膨張を抑えるうえで今回の同時改定が果たす役割は極めて重要だ。

両者の連携を密にしてサービスの質の維持を図る一方、医師や介護事業者らが不必要なサービスをなくす方向に誘導し、効率化を徹底的に進めてほしい。

医療の公定価格は診療報酬、介護の方は介護報酬と呼ばれる。わたしたちが公的医療保険や介護保険でサービスを受けた際の費用はそれぞれの報酬で決まる。

診療報酬は2年ごと、介護報酬は3年ごとに改定されるので、同時改定は6年ごとだ。24年度にも同時改定はあるが、25年に向け余裕を持って本格的な対策を打ち出すには18年度が実質的に最後のチャンスとされる。

政府は13年にまとめた社会保障制度改革国民会議の報告書において、複数の慢性疾患を抱えることが多い高齢者は入院して完治を目指すより、住み慣れた自宅などで病気と共存しながら生活の質を維持していく姿が望ましい、との考えを示している。

まずはこのような形を実現しやすい報酬に変えてほしい。高齢患者を終末期に入院させて、濃厚な治療や検査をすることは今もあるとされる。こうした過剰な医療サービスの提供を防ぐような報酬体系をつくるべきだ。

自宅や老人ホームなどで療養していく際にも、不必要な医療は省き介護サービスを中心に生活を支えていくことが求められる。

その介護サービスについても、家事支援的なものはできる限り地域のボランティアや非営利団体に任せたい。医療と介護の両方から同じようなサービスが提供されるといった無駄もなくしたい。

政府はここ数年、高齢者の増加に伴って大幅に伸びかねない社会保障予算を一定範囲内の伸びにとどめる目標を掲げている。この目標達成のためにも診療・介護報酬の抑制は必要だろう。

ただ、数字合わせの場当たり的な改定にしてはならない。25年以降の超高齢化社会を乗り切るための、長期的な視野を持って改定を進めるべきだ。

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