2019年4月20日(土)

農家の意欲生かす全農改革に

2017/3/29 2:30
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全国農業協同組合連合会(JA全農)が農産物の買い取り販売の強化や資材の購買手法の見直しを柱とする改革策を発表した。

全農は農家が使う肥料などの資材の購入や農産物の販売で高いシェアを持つ。改革が農家の経営を左右することを自覚し、農家の創意工夫や生産意欲をもっと生かす組織に変わるべきだ。

全農改革は今国会で審議が始まった農業競争力強化支援法案の柱でもある。政府・与党は競争原理が十分に機能していないため資材価格などが高止まりし、農家の所得向上を阻んでいるとみる。

改革策では農産物を農家から買い取り、全農がリスクを負って小売りなどに売り込む手法を拡大する。肥料などの購買は競争入札を中心にした方式に変え、価格の引き下げにつなげる考えだ。外部の人材としてイトーヨーカ堂の前社長を役員待遇で登用する。こうした改革は評価できる。

しかし、肝心なのは全農が本当に農家の立場に立って資材価格の引き下げに努力したり、新たな買い手を国内外で開拓できたりするかどうかだ。農家の経営を支援する農協の存立目的からみれば、政府に促されるのでなく、自らやって当たり前の改革といえる。

農家による農家のための農協という設立の原点に戻り、農業支援に全力を注ぐべきだ。

政府は全農に対し、2019年半ばまでの「農協改革集中推進期間」に十分な改革成果を上げるように求めている。全農が既得権益や組織の維持を優先し、改革が看板倒れになることは許されない。

所轄官庁の農林水産省だけでなく、全農改革を提言した規制改革推進会議も改革の進捗状況を厳しくチェックし、問題点を指摘してもらいたい。

農業改革の主眼は横並び意識の強かった農業分野に健全な競争を浸透させ、市場競争を通じて生産コストの引き下げや付加価値の向上を導くことにある。そのためには既得権益を廃し、旧弊をなくす規制改革を徹底すべきだ。

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