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電子カルテをネットで閲覧 出張先の診察容易に

2017/4/1 6:30
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 診療データ解析のメディカル・データ・ビジョン(MDV)が電子カルテ閲覧サービスに力を入れている。患者は病名や検査結果、薬剤の投薬履歴などをウェブを介していつでも見られるようになり、旅行先や出張先で通院した際に自身の病状を正確に伝えやすくなる。患者の治療方針への理解を深め、医師との対話に役立ててもらう。

旅行先でも現地の医師にカルテを見せればスムーズな診断が期待できる
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旅行先でも現地の医師にカルテを見せればスムーズな診断が期待できる

 サービス名は「カルテコ」。診療情報の二次利用に同意した患者を対象に提供し、電子カルテの一部の情報を見られるようにする。現在3つの病院が採用。2月から運用を始めた大同病院(名古屋市)は年間5000人の利用を目指す。ほかにも2つの病院が稼働に向けて準備を進めている。

 患者はまずカルテコを導入している病院でIDカードを発行してもらう。カルテコのサイトにはカレンダー形式で受診歴が整理されており、投薬履歴や検査結果など医師が作成したカルテの一部を好きな時に見られる。

 「検査結果からどういう判断を経たのか、十分に理解している患者は少ない」とMDVの山本康男・開発営業部門長は話す。

 出張や旅行先で急に体調を崩した際には、医師にカルテコを用いて過去の診断履歴を見せ、病状を正確に説明しやすくなる。同じ病気について別の病院に再検査してもらうセカンドオピニオンでも同じだ。

 カルテコ上では薬の簡単な説明も調べられるため、薬の飲み間違いを防止できる。導入医院では高齢者の患者などで「家族の病状についての理解が深まった」という声もあったという。

 患者が別の病院でも継続した医療サービスを受けられるよう、個々に紙のカルテを返している病院もある。だが、患者がカルテを持ち歩く手間がかかった。

 サービスには山本氏の個人的な思いも込められている。自身の家族が重い病気にかかった際に検査結果の見方も、自分に何ができるのかも分からなかった。病気についてより詳しく知りたかったが、保険適用外になる場合が多いセカンドオピニオンには多額の費用がかかる。

 医療は専門化し、患者にとって分かりにくくなっている。だが、どういう病気で何が処方されているかについて最低限の理解を促し、「患者が医師や治療方針を選べるようにする必要がある」と強く感じた。

 また現在、月2回程度の検査に訪れているが、「別の病院にかかると一から検査しないと病状を正確に伝えられない」(山本氏)。カルテコを使えば、別の病院での診断歴を説明しやすくなると期待する。

 サービスはブラウザ経由で接続する仕組みだが、今後、より見やすいようにスマートフォン(スマホ)アプリも用意する。X線画像なども共有できるようにして、蓄積する情報を増やすことも計画する。

 カルテコは治療費の後払いサービスなどを含めた「CADA―BOX」の一機能として病院に提供している。初期費用は2000万円で、月額利用料は25万円だ。

 MDVの主力事業は大病院から集めた診療データの加工販売だ。ただ、データ収集までに2~3カ月ほどの時間差があるほか、取得できるのは入院患者の情報のみで外来受診の結果は集められないという課題もあった。

 カルテコの提供でリアルタイムの診療データを集め、流行中の感染症がどの年代にかかりやすいかなどのデータを蓄積できるようになったという。(川上宗馬)

[日経MJ2017年3月29日付]


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