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建設業の社会保険加入を急げ

政府は4月から建設工事の元請け会社に対し、社会保険に加入していない作業員は現場で働かせないルールを徹底させる。雇用保険や厚生年金への未加入がまん延しているようでは若い人は建設業に就職しない。業界を挙げて正常化に取り組むべきだ。

建設工事で働く作業員は、中小企業の従業員や単独で現場を渡り歩く「1人親方」が多い。建設不況を受け、総合建設会社(ゼネコン)や1次下請けが技能者を社員として雇わなくなったからだ。結果、所得が不安定になり社会保険に入らない作業員が増えた。

コンクリートを流し込むための型枠を作る工事の業界団体、日本型枠工事業協会の調査では、昨年8月時点で雇用保険や厚生年金に加入していない型枠大工は全国平均で6割弱に及んだ。工事の後に型枠を外す型枠解体工の未加入率は7割強に達している。

こうした状況を改善するため、国土交通省は下請け作業員の保険加入を徹底させる。未加入業者は国交省発注の工事から排除する。建設業の許可も出さない。

同省や厚生労働省、建設業の団体が立ち上げた対策協議会は、元請けが下請けに工事を発注するときに工事費とは別に法定福利費を明示した見積書をつくる、という枠組みを決めた。保険費用を確保し、加入を促すためだ。

これを受け大林組などのゼネコン大手は新たな明細書での発注に取り組んでいるが、中堅以下のゼネコンでは浸透が遅れているという。業界を挙げて決めた対策なのだから徹底してもらいたい。

建設業の人手不足は慢性化している。社会保険の加入を工事参加の条件にすれば、人手不足は一時的に深刻になる可能性もある。しかし所定の社会保険に入ることは義務であり、新たな人材を確保するための第一歩でもある。是正を急ぐべきだ。

そのうえで建設技能者の収入を安定させる方策も欠かせない。工事の合理化や機械化の推進、女性の活用にも力を入れてほしい。

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