2019年4月26日(金)

日欧はEPA早期合意で自由貿易を守れ

2017/3/23 2:30
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トランプ米政権が環太平洋経済連携協定(TPP)からの離脱を決め、「米国第一」を掲げて保護主義的な政策に傾いている。そんな中で日本と欧州は結束し、世界の自由貿易体制を守るという強い決意を示さねばならない。

安倍晋三首相が欧州4カ国を訪問した。メルケル独首相やオランド仏大統領らとの会談で、自由で開かれた経済や貿易が重要との認識で一致したのは当然だ。

欧米各国では、移民や難民の増加も背景に経済のグローバル化への反発が強まっている。英国の欧州連合(EU)離脱決定や、トランプ米政権誕生の原動力にもなった。しかし、自由貿易は世界の繁栄の礎である。それに背を向けて国を閉ざせば経済は低迷し、豊かになる機会を失いかねない。

米国が内向き志向を強めている今、日本と欧州は自由貿易体制を守り、保護主義に歯止めをかける必要がある。そんな立場を確認できた点で安倍首相の訪欧はいちおうの評価ができる。

問われているのは、言葉だけではなく、日本とEUの経済連携協定(EPA)の合意という具体的な成果だ。

交渉は足踏みし、想定より遅れている。安倍首相とトゥスクEU大統領らは年内の大枠合意をめざす方針を確認したが、本来は昨年中に合意しておくはずだった。

交渉で残された最大の焦点は関税の削減・撤廃だ。たとえばEUはチーズなどの乳製品や豚肉などの市場開放を求めているが、日本の農業関係者が抵抗している。

仮に日本が一定の市場開放に応じなければ、EUは日本の乗用車や電子機器にかける関税の撤廃を受け入れないだろう。そろそろ日本とEUの双方が政治レベルで事態の打開をめざすときだ。

米国のTPP離脱の背後で、EUは米国を除くTPP参加国との自由貿易協定(FTA)を急ぐ方針だ。メキシコとFTA改定の交渉をしているほか、オーストラリアやニュージーランドとの交渉開始も視野に入れている。

日本とEUがEPAで合意すれば、焦った米国がTPP復帰を検討する契機になる可能性はある。日欧が自動運転車などの分野で協力できる余地も広がる。

「自由貿易の旗を高く掲げる」(安倍首相)のはきわめて大事だが、日欧EPAの合意という成果が伴わなければ、首脳の本気度が疑われるだろう。

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