2019年4月23日(火)

米国の北朝鮮への強硬姿勢は本気か

2017/3/22 2:30
保存
共有
印刷
その他

米トランプ政権が北朝鮮に強硬姿勢で臨む構えをみせている。日本、韓国、中国の3カ国を歴訪したティラーソン国務長官は、情勢次第で先制攻撃も辞さない考えを表明した。日本にも重大な影響を与える政策変更である。どこまでが本気で、どこからが駆け引きなのか。注意深く見守りたい。

「20年間の(朝鮮半島の)非核化の努力は失敗した。違うアプローチが必要だ」。ティラーソン氏は安倍晋三首相らとの会談でこう強調した。韓国では軍事力行使の可能性について「あらゆる選択肢を検討する」と明言した。

オバマ前政権は「戦略的忍耐」を掲げ、北朝鮮が核開発を断念するならば話し合いに応じるとしてきた。米国が圧力に軸足を移す背景には、トランプ大統領の人柄もあるが、北朝鮮の軍事技術の急速な進歩がある。

先の北朝鮮のミサイル発射を巡り、韓国はいったんは「大陸間弾道ミサイル(ICBM)ではないか」との見方を示した。その後、間違いとわかったが、米本土に到達可能な技術水準に至るのはさほど遠くなさそうだ。地球の裏側のできごととみてきた米国も真剣に取り組まざるを得なくなった。

課題は北朝鮮に影響力を持つ中国の出方だ。ティラーソン氏の訪中に合わせてトランプ氏は「中国はほとんど協力していない」と非難した。ただ、北京でのティラーソン氏は来月の習近平国家主席の訪米を歓迎する発言に終始し、協議の中身はよくわからなかった。

どんな外交も、対話と圧力の適切な組み合わせが重要である。北朝鮮の挑発行為は国際社会の常識を外れており、その意味で米国がアプローチを修正することは理解できる。他方、かつてのイラク戦争のような無謀な戦いにつながることがあってはならない。

安倍政権は米国だけでなく、関係が冷え込んでいる韓国とも緊密に連携し、上手にバランスを取る役割を果たしてほしい。

不測の事態への備えも忘れてはならない。万が一だが、米朝が戦闘状態に陥った場合、自衛隊ができること、できないことは何なのか。日米の調整を進め、有事に国論が二分しないようにしなくてはならない。

政府は2013年に策定した現在の「防衛計画の大綱」を今年秋にも改定する。こうした機会に日本を取り巻く安保環境を国民に丁寧に説明すべきだ。

春割実施中!無料期間中の解約OK!
日経電子版が5月末まで無料!

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報