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系列こえた地銀再編で地域の活性化を

地方銀行の再編が全国で加速している。先行した九州などに続き関西でも域内最大の地銀連合が誕生する。地方経済の地盤沈下や人口減という構造問題に加え、日銀のマイナス金利政策による収益悪化が背中を押す構図だ。

だが相次ぐ合従連衡が生き残りのための窮余の策にとどまるのでは寂しい。地銀は再編をテコに経営を効率化して体制を整え直し、中小企業や地域住民への金融サービス向上につなげるべきだ。

大阪府を本拠とする近畿大阪銀行、関西アーバン銀行と兵庫県のみなと銀行が、2018年春に共同持ち株会社を設立し経営統合する方針を決めた。3行合算の総資産11兆4千億円は全国の地銀で6位。400近い店舗を抱え関西で最大の地銀グループになる。

バブルの崩壊後、関西の金融はとりわけ深刻な混乱に陥った。大小の金融機関が乱立するオーバーバンキング(銀行過剰)の状況下で、融資の担保とした不動産の価値が東京並みに急落し「金融の火薬庫」の様相を呈した。統合する3行の前身には、かつて破綻した銀行が複数含まれる。

3行のうち近畿大阪と関西アーバンは将来の合併を検討する。約40支店が重複しており、早急に統合効果を生む努力を求めたい。関西には東大阪市をはじめ分厚い中小企業群が存在する。金融面から活性化を側面支援してほしい。

大手銀行の戦略も今回の地銀統合の背景にある。近畿大阪はりそなホールディングスの100%子会社、関西アーバンとみなとの2行は三井住友フィナンシャルグループ傘下だ。大手銀の系列をまたいだ地銀再編は異例だ。

3メガ銀行の一角として三井住友は大幅に厳格化される国際金融規制への対応を迫られる。収益力に限りがある子会社2行を切り離すことで自己資本比率が0.5%高まる効果を見込む。一方、新しい地銀持ち株会社への2割の出資比率は確保し、旧住友銀や旧神戸銀の「創業の地」である関西への関わりをアピールする戦略だ。

注目は持ち株会社に過半を出資するりそなの役割だ。これまでメガ銀と地銀の中間で存在価値を示す「スーパーリージョナルバンク構想」を掲げてきた。今回の再編は、ようやく構想の具体化に動いた一歩といえる。地銀が単独で開発するには負担の重い先端的なシステムの提供などを通じて、主導権を発揮してほしい。

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