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春秋

山岳小説で名を成した新田次郎さんが第34回直木賞に輝いたのは1956年だ。芥川賞の方の「同期生」は石原慎太郎さんである。授賞式は2月に当時、銀座8丁目にあった文芸春秋のビルで行われた。約30人が集まり、正賞にスイス製の腕時計、副賞は10万円だった。

▼「何に使いますか」と記者に問われ、石原さんは「こういうお金はみんなして飲んでしまうものじゃあないですか」と答えたという。新田さんが自伝で触れている。「都庁で会おうぜ」と知事に初当選した際の記者会見を終えたり、小池百合子知事を「厚化粧」と評したり、この人の奔放な弁舌は何かと注目を集めてきた。

▼そして、昨日「果たし合いに向かう侍の気持ち」と臨んだ豊洲市場の整備をめぐる記者会見である。「権威ある科学者が、豊洲は問題ないと言っている。移転しないことに不作為の責任がある」などと、初っぱなで小池知事に一太刀浴びせはしたものの、後は「記憶にない」「自分は専門家ではない」と守勢に立たされた。

▼「裁可した責任はある」と反省する一方「行政や議会、みんなで決めた」と続ける。「太陽の季節」の主人公が打ち込むボクシングでいえばクリンチに逃れたといえようか。会見で2点明らかになった。この件で石原さんをただしても真相解明は難しそうだということ。そして、13年半に及ぶ在任中の都政の無責任体制だ。

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