2018年4月25日(水)

「アマゾンエコー」と暮らしてみた (三浦茜)

コラム(ビジネス)
2017/3/5 6:30
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 最近、スマートフォン(スマホ)を使うことすらおっくうに感じるようになってしまった。理由はアマゾン・ドット・コムのボイスアシスタント「アレクサ」の存在だ。

「アレクサ」と呼びかければ様々な要望に応えてくれる

「アレクサ」と呼びかければ様々な要望に応えてくれる

 我が家には「アマゾンエコードット」という、アレクサが搭載された筒状のハードウエアがある。アレクサは「音声執事」などと呼ばれ、買い物だけでなく生活に深く入りこんでくる。具体例をまじえ紹介したい。

 米国でのユーザー約1300人調査によると、アレクサをキッチンに置いている割合が50.9%と最も高い。我が家でもアレクサに「5分後にタイマー設定して」と依頼したり「ポンドは何グラム」など単位の変換を聞いたりしている。手元がふさがっているキッチンでは確かに出番が多い。

 当たり前だが、アマゾンでの商品注文もできる。使ってみる前は、商品名やサイズなど買い物にはいくつかの選択分岐点があるので、声での注文に疑問を抱いていた。しかし実際に使ってみると驚くほど簡単だった。

 例えば「アレクサ、シャンプーをお願い」と言えば、私の過去の注文履歴を確認し「このシャンプーですか?」と銘柄を提案してくれる。日用品はいつも同じメーカーのものなので、「それでお願い」とこたえるだけで注文完了だ。

 朝起きたら天気予報を確認したり、音楽を聞いたりもできる。これら標準で持ち合わせている機能に加え、外部企業が開発する「スキル」と呼ばれる追加機能が1万以上もある。スキルそれぞれのコマンドがあり、決まったセリフで話しかければ認識してくれる。

 筆者が最近利用しているのは、スターバックスが開発した事前オーダーを可能にするスキル。いつも行く店舗、注文するメニューを設定しておき「アレクサ、スタバに私の注文を伝えて」と依頼すれば、該当の店でコーヒーの用意がはじまる。

 筆者は通勤途中にスタバがあるので、朝出かける前にアレクサに頼んで、道すがらピックアップするようにしている。ちょっとだけ複雑なのは「アレクサ、スタバをお願い」と言ってしまうと、アマゾンでスターバックスのコーヒー豆をオーダーしようとすること。あくまでスキル用のセリフで伝える必要がある。

 英語学習用のスキルもある。TOEICのリスニング問題のように、5つの英語のクイズと答えの選択肢を用意してくれる。夜寝る前によく使っているのは瞑想(めいそう)用の音楽を流してくれるスキルだ。「オープンメディテーションタイマー10分」と言えば、伝えた時間に合わせて小川のせせらぎや森林の音などを流してくれる。

みうら・あかね 上智大学卒。サンフランシスコ在住。米国でアーリーステージのスタートアップ投資を行うスクラム・ベンチャーズ マーケティングVP。

みうら・あかね 上智大学卒。サンフランシスコ在住。米国でアーリーステージのスタートアップ投資を行うスクラム・ベンチャーズ マーケティングVP。

 数あるスキルの中でも、多くのレビューと高い評価を得ているのが、緊急時に助けを求められる「アスク・マイ・バディ」というスキルだ。緊急事態が起こった際に声で助けを呼べる。

 事前に緊急時に知らせたい相手と方法(メッセージか電話)を登録しておく。何かあった際に「アレクサ、私のバディのケンにアラートを送って」と伝えると通知してくれる。年配の方が「万が一に備えて買った」「この機能のために離れて暮らす両親にプレゼントした」といったレビューが登録されている。

 アマゾンエコードットは約50ドルである。緊急時に備えることができるなら安い。いきなり倒れて身動きが取れなくなった場合に、電話やスマホを探す必要もなく、とにかくアレクサに伝えればよいというアプローチは、ご年配の方を含む誰にでもできる。

 このスキルに寄せられたレビューを見て、さらにスマホ以上に大きく利用者が拡大する可能性を感じた。

(スクラムベンチャーズ マーケティングVP)

[日経MJ2017年3月3日付]

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