2019年4月25日(木)

前向きの節電が商機を生む

2017/3/1 2:30
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電力の安定供給の条件は、需要を満たす供給力を常に用意することだ。冷房を多用する夏の午後には電力使用量が跳ね上がる。電力会社は普段は動いていない発電所も残して需要増に備えている。

こんなときに企業や消費者が電気の利用を抑え、需要の山を低くできれば余分な発電所はいらなくなる。設備費用を軽減する利点だけでなく、利用者に無理なく節電を促す工夫は新たな商機を生む。

こうした前向きの節電を促す仕組みが4月から始まる。需要が急増した時に節電に応じた企業や家庭にお金を払う「ネガワット取引」と呼ぶ制度だ。電気の使い手が需給安定に関与する仕組みを積極的に育てていきたい。

ネガワット取引には電力会社や、電力会社と需要家をつなぐ仲介事業者が参加する。

仲介事業者は節電に協力してもらう企業や家庭をあらかじめ募っておく。需給逼迫時に仲介事業者から節電要請を受けると、企業なら自家発電設備の発電量を増やしたり、工場の稼働率を落としたりするなどの手段で電力会社から買う電力を減らす。

節電に応じた企業や家庭は見返りに報奨金を受け取る。節電に応じるのは当面、工場やオフィスビルなどの大口需要家が中心になるとみられる。しかし、家庭での節電量は1軒では小さくても、たくさん集めれば大きくなる。

電力会社はIT(情報技術)を使って家庭の電力使用量をリアルタイムで把握するスマートメーターの設置を進めている。こうした技術を活用することで、楽しんで節電してもらうサービスが生まれる余地も広がる。

新電力大手のエネット(東京・港)は猛暑が予想される日には、節電に応じてくれる家庭に映画館や商業施設の割引クーポン券を配る取り組みを試験的に実施した。

政府はネガワット取引の導入で2030年度までにピーク需要の6%抑制を目指している。電力消費の無駄を省き、生活様式を変えるきっかけにしていきたい。

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