2019年4月26日(金)

司令塔不在の韓国はどこに向かうのか

2017/2/25 2:30
保存
共有
印刷
その他

韓国で朴槿恵(パク・クネ)政権が発足してから、きょうで4年がたった。とはいえ、当の朴大統領は昨年末以来、国会による弾劾訴追で職務停止の状態が続く。司令塔不在のなか、混迷を深める韓国はどこに向かうのか。

朴大統領は4年前の就任演説で「希望の時代を開く」と述べた。だが肝心の経済は低迷が続き、昨年の成長率は2年連続の2%台に沈んだ。貧富の格差是正も進まず、社会の閉塞感は募った。

国民や政界との意思疎通に後ろ向きで独善的な姿勢も災いし、朴氏は旧友の国政介入疑惑で一気に国民の支持を失った。いまや罷免の是非を審理中の憲法裁判所の判断を待つ身だ。残る1年の任期を全うするのは難しいだろう。

朴氏の疑惑は政界と財閥の癒着問題にも及び、最大財閥サムスングループの事実上のトップ、李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子副会長の逮捕にもつながった。

政財界の癒着は韓国の長年の悪弊とされ、格差社会の「勝ち組」である財閥への国民不信もかねて根強い。朴氏も財閥改革を公約したが、本腰を入れたとは言いがたい。それが皮肉にも自らの醜聞によってメスが入ったわけだ。

これを機に企業統治を含む財閥改革が進み、政財界の関係が透明化されるのであれば望ましい。

一方で厳しい世論におもねるあまり、疑惑追及が度を越している側面はないのか。海外では今後の韓国の内政・外交が世論の風潮に左右され極端に振れることを危惧する声も出ている。マティス米国防長官が就任後、真っ先に訪韓したのもその証左だろう。

次期大統領選に向けた政治論戦が本格化する韓国では、野党勢力が世論の後押しで勢いを増す。その野党側は総じて北朝鮮に対する融和路線への転換に前向きだ。

しかし弾道ミサイル発射や金正男(キム・ジョンナム)氏の殺害で浮き彫りになったように、北朝鮮の脅威は深刻だ。それに対処する上でも、日米韓が連携し厳しい圧力をかけていく必要がある。

野党内で浮上している米軍の地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)の韓国配備や日韓の慰安婦合意の見直し論も、無責任な主張といわざるを得ない。

国内改革もしかりだ。例えば韓国経済のけん引役である財閥の力を損なわず、財閥改革をどう進めていくのか。真の国益を冷静に見据えた政策論争を求めたい。

春割実施中!無料期間中の解約OK!
日経電子版が5月末まで無料!

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報