2019年4月25日(木)

豊洲の検証に何が必要か

2017/2/23 2:30
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築地市場の豊洲への移転問題を巡って、東京都議会が22日、地方自治法100条に基づく強い調査権限をもつ特別委員会(百条委員会)を設置した。

百条委は自治体の仕事に関して関係者の出頭や証言、記録の提出を求めることができ、正当な理由がないのに出頭を拒んだり、虚偽の証言をしたりすると禁錮や罰金が科せられる。今後、用地を取得した当時の知事である石原慎太郎氏らを証人喚問する予定だ。

なぜ、土壌が汚染された東京ガスの工場跡地を移転先に選んだのか、多くの都民、国民が疑問を抱いている。汚染対策費の多くを原因者である東京ガスではなく、都が負担する契約になっている点などについても批判が出ている。

豊洲問題に対する国民の関心は極めて高い。都議会が自らの調査権限を生かして一連の疑問を解明しようとする点は評価したい。

一方、老朽化した築地市場の移転は30年前から曲折を経ながら進められてきた。都が豊洲への移転を決めて以降でも16年がすぎた。

都は当初、現在地での再整備に着手したが、営業活動を続けながらの工事は難航し、他地区への移転へ方針を転換した経緯がある。市場関係者の間でも当時、築地に近く、広い用地を確保できる豊洲への移転を求める声があった。

東京ガスは2007年までに約100億円をかけて都の条例に基づいて土壌改良をしている。それでもその後の調査で有害物質が検出され、都が自ら大規模な対策に乗り出して、現在に至っている。

今回の百条委の設置は7月の都議選をにらんだ会派間の駆け引きの結果という側面が強い。石原氏への責任追及を強める小池百合子知事の動向も影響している。

30年という時間軸に沿って、ていねいに事実を確認しながら審議しないと、単なる政治ショーに終わるだろう。過去の検証は必要とはいえ、本当に重要なのは3月に明らかになる豊洲市場の地下水の再調査の結果と、それを踏まえた小池知事の判断である。

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