/

自由な競争を実現し農業の成長を導け

政府は昨年11月にまとめた農業改革策を具体化する農業競争力強化支援法案を閣議決定し、国会に提出した。今国会では半世紀ぶりとなる原料生乳の流通改革など、合わせて8つの農業関連法案の成立をめざす。

農業改革の狙いは自由な競争を実現し、そこから新たな付加価値や生産、流通の合理化を引き出すことにあるはずだ。政府はその目的を後退させず、改革を断行してほしい。

農業競争力強化支援法案は肥料や飼料、農薬などの農業資材に加え、コメ卸や製粉など流通加工の分野で業界再編を促すことがおもな狙いだ。

ここで重要なのは、農業資材や農産物の流通で高いシェアを握る全国農業協同組合連合会(JA全農)の事業改革だ。政府は農業資材の分野で価格競争が十分に機能しておらず、韓国などと比べ農家の生産コストが高くなっている現状を問題視している。

農協の設立目的は農家の経済活動を支援し、農業生産の拡大を後押しすることにある。農業生産にかかるコストや、農産物の出荷経費が少しでも安くなるように努力することは当然だ。全農は政府に促される前に、近くまとめる改革案で自ら農家支援の事業体制を示すべきだ。

生乳の流通改革も旧弊を改め、自由な競争を実現することが目的だ。安倍晋三首相は今国会の施政方針演説で「事実上、農協経由に限定している補給金制度を抜本的に見直し、生産者の自由な経営を可能にする」と言明した。既得権益を守ろうとする農協の圧力でその方針が曖昧になることがあってはならない。

イネなどの品種普及を都道府県に主導させる主要農作物種子法を廃止し、品種開発に民間の技術力を取り込む改革も急ぐべきだ。

旧来型の横並び保護を求める声は根強い。野党は畜産農家の保護を拡充する法案を議員立法で提出した。自民党の中にも環太平洋経済連携協定(TPP)関連法の保護対策を、TPPと切り離して出そうとする動きが見られる。

しかし、旧来型の保護が競争力を高める農家の努力を阻害し、農業を弱体化させたことを忘れてはならない。飼料米の増産支援なども農業改革の目的に逆行しかねない政策だ。自由な競争で農業を自立した産業へと導く改革を貫いてもらいたい。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン