2019年1月22日(火)

春秋

2017/2/19 2:30
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きちんとピアノを弾ける子が、田舎町の小学校でもクラスに一人や二人はいたものである。担任の先生よりずっと上手で、講堂のグランドピアノに向かってワルツなど奏でる女子の格好良さときたら……。そういう児童はみな音楽教室に通っていて、家に余裕があった。

▼昭和の時代に広まったさまざまな習い事のなかでも、音楽教室は別格だったろう。暮らしがどんどん豊かになっていく高度成長期、親はわが子にしきりにピアノを習わせたのだ。いわば「中の上」の象徴であった。公益社団法人発明協会は「戦後日本のイノベーション100選」のひとつに、ヤマハ音楽教室を選んでいる。

▼いまやこうした教室は全国で1万を超え、演奏される曲も多様だ。そこで日本音楽著作権協会(JASRAC)が、教室から著作権使用料を徴収する方針を打ち出した。教室といってもカラオケなどと同じビジネスだと主張するJASRAC。かたやヤマハなどは、聞かせることが目的ではないと猛反発して対立は深刻だ。

▼しゃくし定規な対応は文化を衰退させるとの声もあれば、むしろ見過ごしてきたほうがおかしいという考えもあろう。溝は簡単には埋まるまい。もっとも、かのJASRACのコワモテぶり、著作権管理の独占ぶりにはいささか閉口する。ややこしいからと、レッスンはクラシック限定にする教室が出てくるかもしれない。

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