2019年4月26日(金)

「2国家共存」を放棄するな

2017/2/18 2:30
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パレスチナ人が自分たちの国を持ち、隣り合うイスラエルと共存する。長い対立と流血の末にたどりついた、パレスチナ問題を解決に導く和平の道である。これを放棄してはならない。

米国のトランプ大統領がイスラエルのネタニヤフ首相との共同記者会見で、「2国家でも、1国家でも、双方が望む方でいい」と語り、パレスチナ国家とイスラエルの「2国家共存」にこだわらない考えを示した。

2国家共存をパレスチナ問題の唯一の解決策としてきた米歴代政策からの唐突な転換である。

イスラエルとアラブ諸国は、1948年のイスラエル建国以来、何度も戦火を交えてきた。パレスチナ紛争はイスラエルとアラブの対立の核心にある問題だ。

パレスチナ国家の樹立による和平に道を開いた93年のパレスチナ暫定自治宣言を仲介したのは米国だ。その後のイスラエルとパレスチナの交渉は順調ではなかったが、独立国家はパレスチナ人の悲願である。反発は当然だろう。

イスラエルに影響力を持つ米国が、2国家共存の旗を降ろせば、イスラエルによる占領地の固定化を許すことになりかねない。ネタニヤフ政権はヨルダン川西岸などへの入植地拡大を続けている。その撤去は一段と難しくなる。

心配なのは、トランプ大統領が米国大使館をエルサレムに移す意欲を見せていることだ。エルサレムはユダヤ教、キリスト教、イスラム教それぞれの聖地だ。

イスラエルは67年に東エルサレムを占領した。エルサレムを「永遠の首都」と主張するが、国際社会は認めていない。日米はじめ、各国はテルアビブに大使館を置いている。米国が大使館を一方的にエルサレムに移せば、イスラム世界全体の怒りを招くだろう。

トランプ大統領とネタニヤフ首相は弾道ミサイルの開発を続けるイランへ厳しく臨む考えで一致した。米政権のイスラエルへの過度の肩入れが中東の緊張を高めることにならないか懸念する。

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