新社会人のスーツ選びは まず3着、ちょい柄で変化

4月から社会人になる男性です。毎日着るシャツやスーツをどのくらい用意しておけばいいのか分かりません。枚数や生地、形など、選び方のポイントを教えてください。
まず3着 ちょい柄で変化
男性の場合、初出社の前に何をどのくらい用意すればいいのだろうか。西武池袋本店紳士服飾部長の古堀宏さんは「スーツは最低でも3着は必要」と話す。少なくとも2日間は服を休ませ、3着で回すローテーションを維持した方がいいという。就職活動で着た黒や濃紺の無地以外に2、3着はそろえておきたい。

社会人向けのスーツは同系色でもバリエーションが豊富だ。新入社員が着るのに無難な色として古堀さんが薦めるのは、あまり明るすぎない紺やチャコールグレーの無地。クセがなく落ち着いた印象を与えられるという。
「印象を変えるには柄がポイント」と話すのは、パーソナルスタイリストの森井良行さん。例えばストライプ柄のスーツは「ビジネスマンとしての雰囲気を出しやすい」。くっきり目立つ柄には気後れしがちだが、遠目だと無地に見えるシャドーやペンシルと呼ばれる控えめな柄なら手が出しやすい。企画系の職場では、窓枠のような格子柄のウインドーペンもお薦めだ。知的な印象を与えるという。
素材にも注目してみよう。スーツの定番素材はウールだが、強度を保つ観点からポリエステルを混ぜたものも増えている。その場合は「配合率が重要」と森井さん。ウールの方が復元性が高く、細かいシワなら2日間ハンガーに掛けておくだけでもある程度伸びる。「なるべくウール50%以上のものを選びたい」
暖かくなる春夏向けに古堀さんが薦めるのは、ジャケットの裏地がなく通気性のいい背抜きのタイプのスーツだ。ポリエステルの割合が高い素材なら家で水洗いできるものもある。着る時期を見据えて素材や柄を考えながら買いそろえてみよう。
シャツ5枚、靴3足ローテ
シャツを選ぶ時は、色と柄、襟の形に気を付けたい。「新入社員ならまずは清潔感が重要」(古堀さん)。白無地のほか、水色など青系の色も選択肢に入るという。森井さんは「少し攻めた印象なら白地に青のストライプや、襟だけが白いクレリックのシャツがお薦め」と話す。
シャツの襟はネクタイの有無によって使い分けよう。ネクタイ着用時には結び目まわりが見えづらいレギュラーやセミワイドの襟型が基本。クールビズなどノーネクタイで着る時は襟の先が浮きがちなので、「襟立ちのきれいなボタンダウンや襟先が開いたワイド、ホリゾンタルがお薦め」(森井さん)だ。
週5日の勤務なら、5枚あると楽だ。家で洗濯できる形態安定加工のシャツを選び、週末にまとめて洗濯するのでもいい。クリーニング店に出す場合も、10枚そろえておけば、週1回出すだけで済む。「仕事ができる男性はシャツのマネジメントがうまい」(森井さん)
ネクタイは「斜めに入ったストライプと、ドットと無地の3種類あるといい」(古堀さん)。色は紺やえんじが定番で、春先には紫やピンクも人気という。柄や色違いが5本あると印象を変えられる。素材はシルクが基本だが、森井さんは「クールビズの時はニットタイ、秋冬はウールもあり」と助言する。
靴はどうか。革靴は一度履いたら2日間は休ませるのが長持ちのコツ。最低でも3足は必要だ。つま先部分に横一文字の縫い目がある「ストレートチップ」の黒靴が定番で冠婚葬祭でも使える。靴を見られる機会は多いだけに、靴磨き用のブラシやクリームも合わせてそろえておきたい。
靴とベルトは色を合わせるのがコーディネートの鉄則。黒いベルトも買いそろえておこう。「ベルトは真ん中の穴で止めるように調節する」(森井さん)ことにも気を付けたい。靴下の色は黒やグレー、紺などスーツの色に合わせて選ぶ。すねが見えない長さで、できるだけ目立たないものがいい。1週間に履く5足以上を用意しておこう。
スーツやシャツ選びで大事なのはサイズが合っていること。新社会人としての準備を整え、最適な装いで春を迎えよう。
(小柳優太)
[NIKKEIプラス1 2017年2月18日付]
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