2019年8月23日(金)

堂々たる体格、将来の柱 ハンドボール・玉川裕康(上)

2017/2/14 15:30
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初めての世界の舞台は3年後の東京五輪に向けての貴重な経験となる。国士舘大3年の玉川裕康(21)は今年1月、フランスで開催されたハンドボール男子世界選手権で日本代表としてデビューした。全7試合に出場して通算8得点。「思っていた以上に使ってもらえた。自分がこれからやるべきこともはっきり分かりました」と振り返る。

自分がこれからやるべきことが分かったという玉川

自分がこれからやるべきことが分かったという玉川

ハンドボールはゴールを囲む6メートルライン前で猛烈な肉弾戦が展開される。激しいぶつかり合いは、ネットのない球技全般において小柄で華奢(きゃしゃ)な日本人選手が苦手とする攻防。玉川はそんな場面で、巨漢の外国人選手と張り合える可能性を秘めている。

198センチ、110キロの堂々たる体格。父親はイラン出身。日本で生まれ育ち、小学時代は剣道、中学1年からハンドボールを始めた。最近はさまざまな競技で日本代表としての活躍が目立つハーフアスリートの一人である。

念願のフル代表としての初得点は世界選手権の2戦目。優勝した強豪フランスを相手に記録。あこがれの選手たちとの初めての対戦だった。19-31で完敗した試合の終盤の得点ではあったが、開催国の登場で会場は最高の雰囲気だったという。相手のマークがずれた瞬間にパスを受け、豪快にジャンプシュート。「ゴールしてコート上のスクリーンを見たら、自分の顔がアップで映っていてうれしかった」

パワーアップの必要性、世界選手権で痛感

代表での仕事はゴールの量産ではない。6メートルライン前で肉弾戦に身を置くポストプレーヤー。時に密集で敵を振り払っての強引なシュートも必要だが、常に相手の守備の穴を意識し、体を張ってパスを出したりブロックしたりして味方の攻撃をサポートする。守備に回れば中央に陣取り、逆に相手の高さと強さを封じ込める。

ぶつかり合っても揺るがない強靱(きょうじん)な肉体とともに、次の動きを読み、自らを起点にして攻撃を組み立てる戦術眼が求められる。ハンドボールの強国は必ず優秀なポストプレーヤーを擁する。

日本代表のかつての大エースで代表監督も務めた日本協会の蒲生晴明専務理事は世界選手権での玉川のプレーを「初代表としては100点」と評価する。

「最年少なのに遠慮なく先輩に指示を出す。クレバーなプレーもできるし、日本の柱になってくれる可能性が見えた」。ただ、巨漢選手と渡り合うパワーについては「これからだね」。2メートル、120キロが本場欧州では普通のサイズとなる。体の厚みはかなり劣る。ぶつかり合いでは劣勢は免れない。

本人も世界選手権でさらにパワーアップする必要を痛感したという。「体幹を鍛え、筋肉だけで増量して120キロ程度にしないと対抗できない」。ワールドクラスの大型ハンドボーラーの存在は、日本が東京五輪で開催国にふさわしい戦いをするために欠かせない条件となる。

(敬称略)

〔日本経済新聞夕刊2月14日掲載〕

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