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底堅い景気にも楽観は禁物だ

内閣府が発表した2016年10~12月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0.24%増、年率換算で1.0%増となった。

日本経済の実力を示す潜在成長率は0%台半ばから後半といわれる。10~12月期の実質成長率はこれを上回ったが、楽観は禁物だ。政府は規制改革を含む構造改革を加速しなければならない。

「景気は緩やかな回復基調が続いている」(石原伸晃経済財政・再生相)という政府の認識に違和感はない。

けん引役は企業部門だ。輸出は米国や中国向けの自動車や電子部品などが堅調に推移した。設備投資も前期比プラスに転じた。

民間の在庫投資が成長率を押し下げたが、在庫調整が進展した結果ともいえる。先行きの生産も増勢を保つとの予測が多く、企業部門を下支え役とした日本経済には一定の底堅さがある。

ただ、トランプ米大統領が保護主義的な政策を進めれば、米国向けを中心に輸出は下振れする可能性がある。大統領の口先介入で円高が進めば、企業収益の足を引っ張りかねない危うさもある。

家計部門にも不安が残る。特に内需の柱である個人消費は前期比でほぼ横ばいで、力強さを欠いている。内閣府によると、飲食サービスは増えたが、野菜や衣服の売れ行きが悪かったという。

雇用者報酬が前期比で横ばいとなった点は気がかりだ。余力のある日本企業は攻めの投資を進めつつ、賃金や配当の形で家計にしっかりと還元してほしい。企業部門と家計部門の好循環が息の長い景気回復の条件になる。

政府は企業統治のさらなる強化や、柔軟で多様な働き方がしやすくなる改革、外国人材の受け入れ拡大を積極的に進め、日本経済の潜在力を高める環境づくりを急ぐ必要がある。

消費低迷は、社会保障への将来不安が一因でもある。持続可能な財政と社会保障制度の再構築という宿題も忘れてはならない。

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