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春秋

いきなりのハグに、アームレスリング風の固い握手である。首脳会談でトランプ米大統領からどんなぶちかましがあるのか、安倍首相や日本企業トップらは戦々恐々としていたのではないか。ところが、ふたを開ければ、同窓会で旧友に再会したかのごとき接遇だった。

▼日本側から安堵のため息が聞こえてくるようだ。実は首相の下には、9日に米国へたつ直前まで、外務、経済産業両省の高官がひっきりなしに出入りしていた。本紙政治面にある「首相官邸」という小さな記事が教える。会談内容の綿密な擦り合わせに加え、通商や安保で変化球を投げられたときの対応も議題だったろう。

▼共同声明の発表の後は、保養地の別荘で5度も食事をともにし、さらにゴルフだ。約160年前、砲艦を差し向けて開国を迫った米国と、イエスともノーとも答えず「ぶらかし」続けようとした日本。途中、大きな犠牲を払った負の歴史をもはさみ、首脳同士がこれほど親密さを前面に出したことはなかったように思える。

▼身を委ねられる大船に首相も安心の体だろうか。だが、針路や機関の異常など警戒も怠れない。トランプ氏をめぐり、雑誌「文芸春秋」に立花隆さんがこんな趣旨で書いていた。「アメリカ大統領選は完全に終わったわけではなく、まだ途中経過ぐらいに考えたほうがいい」。大変動の予感は、どこか納得できるゆえ怖い。

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