2019年6月26日(水)

タブレット付きカート、クーポンでついで買い誘う

2017/2/11 6:30
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三井物産が食品スーパーのショッピングカートにタブレット端末を設置し、店内でクーポンなどの情報を提供する「ショピモ」の展開を始めた。近距離無線装置(ビーコン)で売り場の近くに来たらクーポンを表示するなど、利用率を高める工夫をこらした。導入店舗では新規顧客の獲得につながっており、取り扱うクーポンや店舗を増やしていく。

ショッピングカートのタブレットにクーポンやお薦めレシピが表示される

ショッピングカートのタブレットにクーポンやお薦めレシピが表示される

タブレットの画面には3つのタブが付いている。1つがクーポン。食品を中心に日用品など常時40種類のクーポンがある。画面上の写真から選べるほか、店舗の地図からクーポンが付いた商品がある売り場を見つけることもできる。

特徴的なのが「隠しクーポン」ともいえる仕組みだ。最初はクーポンが表示されていないが、対象商品に近づくと自動的に画面に表示される。

対象商品の近くにビーコンを設置しており、タブレットが近寄ると受信して表示する仕組みだ。「近くを通ると自動的に画面に表示されるため印象に残り、来店客の回遊も促す」(ICT事業本部新事業推進室の浅井洋一室長補佐)

クーポン以外には、お薦め商品や旬の食材を使ったレシピなども画面で見られる。レジで会計を待っている間の時間を使ってアンケートに答えてもらう機能もある。

ショピモは昨年11月からオークワ、コープこうべ、イトーヨーカドーの1店舗ずつで試験導入している。来店者はショピモに付いている読み取り機にそれぞれの店の会員カード(磁気、IC、バーコード)を登録する。

クーポンはすべてポイント制で、買い物した翌日にカードにポイント加算される。レジの場所にもビーコンが設置してあり、受信すると自動的にログアウトして次の利用客の登録に備える。

ショピモは三井物産の新事業推進室が「食品流通でITを生かしたい」と2~3年前から検討を進めていた。

これまでの小売店のクーポン販促は会計時のレシートや、店頭での端末にカードやスマートフォン(スマホ)をかざすタイプがあった。ショピモは買い物の最中に商品をアピールでき、さらにカートに端末を据え付けたことで手がふさがらないという利点がある。

導入した店舗で1カ月間の20種類のクーポン利用状況を集計したところ、「普段は同種の他社製品を買っていたがクーポンがあったので乗り換えた」という回答が34%、「同種の種類を3カ月以上購入していなかったがクーポンがあったので購入した」という回答が51%と高い水準となった。

「メーカーにとっては新規顧客の開拓につながり、店舗ではデータを基に売り場の見直しにつながったケースもある」(浅井室長補佐)という。

今後はまずコンテンツの充実を図る。クーポンは週に1回入れ替えているが、レシピやおすすめ商品も定期的に入れ替えると同時に、動画などを使い情報量を増やしていく。

中長期ではスマホや店舗の会員データとの連携も検討する。現在はタブレットで全員が同じ掲載情報を見ているが、スマホとつなげば個々人に合わせて変えられ効果が高まる。また電子決済に対応すれば会計時の手間も省ける。

ビジネスモデルの構築もこれからだ。クーポンを配布するメーカーから広告料を、スーパーからはショピモの利用料を受け取るスタイルで、導入や運用費用を賄えるかが課題となる。(堤正治)

[日経MJ2017年2月8日付]

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