2018年11月14日(水)

農漁業も東京五輪をめざせ

2017/1/30 2:30
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2020年に開催する東京五輪・パラリンピックで、選手村などにどのような食事を提供するのか。その基準案を大会の組織委員会が提示した。ケータリング業者などは3月に正式決定する基準に適合した材料を使い、飲食料を提供することになる。

東京五輪は世界に向けて日本の農水産物の良さを訴え、輸出拡大につなげる好機だ。政府や産地はできるだけ多くの国産食材を使えるように努力すべきだ。

五輪で提供する食材は新鮮でおいしければいい、というものではない。12年のロンドン大会以降、食材となる農水産物には生産現場の「持続可能性」を重視するようになったからだ。

東京五輪もこの方針を推進しなければならない。その意味で、組織委員会の基準案が農産物について内外の農業生産工程管理(GAP)制度による認証取得を基本原則にしたことは評価できる。

GAP認証は作物の安全性はもちろん、栽培過程で農薬による水質汚染を起こすリスクはないか、就労環境に問題はないかも審査する。基準案が例示する天然漁獲の認証では、厳格な資源管理や海洋環境への配慮などが求められる。

生産者の労働環境まで考え、農水産物を調達する企業は欧米を中心に広がっている。五輪はその象徴だ。コカ・コーラグループは緑茶飲料向けに日本で調達する茶葉について、すべての農家に日本GAP協会が推進する「JGAP」の認証を取得してもらった。

こうした認証制度は国内産地に浸透しているとは言えない。JGAPの認証を取得した農場は4千を超えたが、それでも生産量全体からみれば数%程度とみられる。

五輪が求める持続可能性は国内の農漁業にも重要な課題だ。就労環境に問題があれば担い手の確保はできない。漁業者が資源保護の大切さを理解していれば、クロマグロ未成魚の違反漁獲などは起きないはずだ。関係者が力を合わせ東京五輪を農漁業の競争力の強化につなげてほしい。

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