2019年7月23日(火)

春秋

2017/1/12 2:30
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平成の世も来年かぎりか……。こんな感慨に包まれている人は少なくないだろう。天皇陛下の退位のスケジュールがにわかに浮上した。菅義偉官房長官のコメントは「承知していない」だが、2019年の元日に新天皇が即位し、新しい元号も適用へと報じられている。

▼28年前の1月7日を思い出す。昭和天皇が亡くなった朝、記者たちはポケットベルの音で一斉にたたき起こされた。まだ携帯電話など普及していなかったのだ。午後になって「平成」が発表され、翌日からただちに改元となる。怒(ど)濤(とう)のような2日間をピークとする昭和の終わりの記憶は、あまたの日本人になお鮮烈である。

▼ああした事態は避けたいというのが、陛下が退位を望まれる理由のひとつだろう。たしかに前もって元号を発表し、整然と代替わりを果たせるなら国民生活への影響は最小限に抑えられる。さまざまな印刷物だけではない。前回とは比較できぬほど進んだデジタルへの対応にも余裕が持てよう。ポケベル時代とは違うのだ。

▼それにしても、誰もが不思議な体験を持つことになりそうである。事前に歴史の節目が定められ、それが一日一日、カウントダウンで近づいてくるのだ。胸に迫るのは愛惜か、新しい世の中への期待か。ふと、真新しい今年の手帳をめくってみれば最後のページは来年のカレンダーだ。平成30年――しみじみと眺めている。

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