3党合意の次の一体改革の検討に入れ

2016/12/23 2:30
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先進国で最悪の財政状態であるにもかかわらず、歳出が膨らむ主因である社会保障費の効率化はなお道半ばだ。政府が決めた2017年度予算案である。

経済成長と両立させつつ、財政と社会保障を持続可能な状態にしなければならない。そのために政府は新たな社会保障と税の一体改革の検討に速やかに入るべきだ。

17年度予算案の総額は97兆円超と過去最高を更新した。

歳入面では、税収を57.7兆円と見積もった。見逃せないのはむしろ16年度だ。今秋までの円高で企業業績が悪化したため、16年度第3次補正予算案で税収を1兆7千億円あまり下方修正した。

赤字国債を追加発行する結果、16年度の一般会計に占める新規国債発行額の割合は38.9%と4年ぶりに上昇する。

安倍晋三政権は経済成長に伴う税収増をアベノミクスの実績として強調してきたが、やはり税収増に過度に依存した財政健全化は危うい。社会保障費を中心に歳出にしっかり切り込む必要がある。

17年度予算案では、医療や介護で高齢者の負担増に踏み込んだ。たとえば、70歳以上の外来医療費の上限を引き上げたり、介護サービスでは一部の利用者の自己負担を3割に引き上げたりする。

所得や資産にゆとりのある高齢者にも応分の負担をしてもらうのは当然だ。高齢化に伴う社会保障費の伸びを年5千億円程度に抑える目標は達成し、18年度も同程度の目標達成のメドがたったと財務省は説明している。

しかし、目先の帳尻合わせだけでは困る。政府は20年度に国と地方をあわせた基礎的財政収支を黒字にする目標を掲げる。19年10月に消費税率を10%に上げたとしても、目標達成のハードルは高い。

その先の25年には、団塊の世代がすべて75歳以上になる。放置すれば医療や介護の費用は急増しかねず、今から思い切った対策を検討する必要がある。

12年の自民、公明、民主(現・民進)の3党合意を何とか維持しようと四苦八苦していたり、次の消費増税の是非を議論したりするだけでは不十分だ。

社会保障を効率化しつつ、真に支援が必要な人や子ども・子育て向けの支援を強化する。その財源確保を含めて社会保険と税制のあり方を一体で見直す。そんな抜本改革に今から着手するのが政府・与党の責務だ。

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