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開かれた組織でイノベーションの加速を

組織の壁を越えて他企業や大学と連携し、技術革新や新規事業の創出につなげるオープンイノベーションの試みが活発になっている。技術やビジネスの前線が急速に広がる中で、社内の資源のみに頼る経営はもはや時代遅れだ。開かれた組織や企業文化の構築は、避けて通れない課題である。

最近の動きで注目されるのがトヨタ自動車だ。同社はもともと自前主義が強く、人材も生え抜き中心。社外との連携作業はあまり得意ではなかったが、最近になって経営のかじを切り替えた。

今年初めに米シリコンバレーに人工知能(AI)などの研究開発会社を設立し、組織のトップに米国の高名な研究者をスカウトしたほか、日本でも社外から事業のアイデアや技術を募り、パートナーと一緒になって新サービスを開発する取り組みを始めた。

IT(情報技術)化の進展で、自動車産業の姿も大きく変わっている。AIなどを駆使した自動運転技術が注目され、車の使い方でも他人と車を共有するライドシェアやカーシェアといった新たな利用形態が広がりつつある。

こうした波に対応するには手持ちの人材や旧来の発想だけでは不十分だ。門戸を開き社外の知恵を導入するのは理にかなっている。

社外連携のための専門組織を設ける企業もある。大阪ガスのオープンイノベーション室は社内各部門から技術ニーズを募り、それを満たす外の企業を見つけるという仲人的な役割を果たしている。

自社に欠けた技術やノウハウを持つベンチャー企業を買収するのもオープンイノベーションの一種だ。味の素は最近、核酸医薬ベンチャーのジーンデザイン(大阪府茨木市)の買収を決めたが、狙いは相手先の技術を取り込み、事業展開を加速することだ。

ただ海外と比較すると、日本企業の取り組みは緒に就いたばかりで、さらに深める必要がある。欧米では例えばフィリップス(オランダ)のように、技術者の意識改革のために、新製品の50%に社外発の技術を取り込む目標を掲げる会社もある。シリコンバレーでは技術の取り込みを狙いとする買収が日常茶飯事だ。

各種の調査によると、オープンイノベーションの阻害要因として「トップが必要性を十分に理解していない」という指摘も多い。経営者をはじめとする関係者の意識改革が求められる。

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