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支障なく副業ができる環境整備を丁寧に

2016/12/14 2:30
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 政府の働き方改革実現会議では柔軟な働き方の一環として、副業や兼業をどのようにして広げるかが議論されている。

 本業に支障が出ないようにしたうえで、副業や兼業をしたい人が健康を害さずに働ける環境を丁寧に整えていきたい。

 副業や兼業は働く人にとっていくつか利点がある。収入を増やせることに加え、新しい技能を習得でき「第二の人生」に備えられる。独立・起業の準備にもなる。

 企業にとっての意義も指摘されている。新規事業などのプロジェクトに、他社の人材が副業として加わる形をとることができる。外部の人材と連携して新しい製品・サービスやビジネスモデルを生みだす「オープンイノベーション」を進めやすくなる。

 自家用車で人を運んで対価を得る「ライドシェア」など、シェア経済も副業が支えているところが大きい。

 しかし総務省の就業構造基本調査によれば、就業者のなかで副業を持っている人の割合は4%に満たない。多くの企業が就業規則で副業や兼業を厳しく規制しているためだ。

 これを政府は、自社の業務への影響がなく、事業で競合している企業では働かないなどの条件を満たせば、副業や兼業を認めるよう企業に促す考えだ。過度に副業などが規制されている現状を改めるのは妥当だろう。

 ただし現在は、副業などをする環境が整っているとはいえない。たとえば仕事の掛け持ちで心配される過重労働への歯止めは不十分だ。1日8時間など法律で定められた上限を超える労働時間には、雇い主が割増賃金を払わなければならない。だが副業や兼業では厳格に運用されていない。

 雇用保険に入れない人が出てくる問題もある。加入するには1週間の所定労働時間が20時間以上あることという条件がある。複数の企業で働く場合、どの会社の所定労働時間も20時間に満たなければ雇用保険に加入できない。

 雇用をめぐる様々な制度は、ひとつの企業に勤めて生計を立てることを前提にできあがっている面が多い。副業や兼業を広げるには、そうした制度の底流にある考え方から見直し、働く人が使いやすい仕組みに変えていく必要がある。一朝一夕にできるものではない。政府は着実に制度の整備を進めるべきだ。

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