2018年1月17日(水)

ネット情報の粗製乱造なくす努力を

2016/12/8 7:40
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 インターネット上の情報をテーマ別にまとめる「キュレーションサイト」への信頼が揺らいでいる。大手企業が運営するサイトで信ぴょう性を疑われる情報が多く見つかり、記事の公開を中止する動きが相次ぐ。

 情報を扱う企業の自覚を欠いていたと言わざるを得ない。手間暇をかけなければ、情報の質は保てない。キュレーション各社は利用者が安心して使える仕組みをつくる責任がある。

 IT(情報技術)サービス大手のディー・エヌ・エー(DeNA)は先月末、根拠が不明確な記事を載せていたとして医療関連サイトの公開をやめた。さらに、他のサイトからの文言の転用を執筆者に推奨していると思われかねない運用があったこともわかり、運営する10サイトすべての公開中止を迫られた。

 守安功社長は「判断の甘さから大きな混乱を招いた」と謝罪し、自身の報酬の減額を表明した。

 サイバーエージェントリクルートホールディングスなども、内容の確認が不十分だったなどの理由で、医療や健康に関する記事の公開を取りやめた。

 多くのキュレーションサイトはネット広告が収入源だ。読者を増やそうと、記事の執筆をネットで安価に外注したり、検索で上位に表示されるようキーワードを盛り込んだりする手法がとられている。不適切な編集方針のもと、不正確な情報や著作権を侵害する情報が生まれやすい構造がある。

 キュレーションは本来、膨大な情報のなかから、役立つ情報を見つけやすくするもののはずだ。情報の質をないがしろにし、闇雲に量を増やす行為は許されない。

 米国では大統領選挙の際、交流サイトのフェイスブックを通じて虚偽情報が拡散し、選挙に影響を与えたのではないかと問題になった。同社は虚偽情報を検出する技術の強化や、通報システムの改善などの対策を打ち出した。

 人々が知識や意見を発信し、共有することがネットの活力の源だ。有益な情報が、大量の誤った情報に埋もれるようでは健全なネット社会とはいえない。どうすれば必要な人に必要な情報を届けられるか。サイト運営企業は、絶えず知恵を絞らなければならない。

 利用者もネット上の情報の質を見極める目を養いたい。ネットを使いこなす力を身につける努力もネット社会の前進には重要だ。

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