企業はビッグデータ元年への備え急げ

2016/12/5 2:30
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ビッグデータをうまく使えば、企業が商品・サービスの開発や販売促進に役立てたり、個人の利便性を高めたりできる。

改正個人情報保護法が全面施行される2017年は「ビッグデータ元年」になる可能性を秘める。企業は今から準備を急ぎ、自社の成長戦略にいかしてほしい。

政府の個人情報保護委員会が個人情報保護法の指針(ガイドライン)をまとめた。法律だけではわかりにくい新ルールの解釈や事例を紹介している。

改正法のポイントのひとつは、個人を特定できないように匿名に加工した情報は、本人の同意なしで利用できるようにした点だ。

指針では「生年月日を削除」「症例数のきわめて少ない病歴を削除」「年齢が『116歳』という情報を『90歳以上』に置き換える」といった事例を示している。ひとまず妥当な内容だ。

もちろん、氏名や年齢、住所などの個人情報をどこまで伏せればいいかがわからず、戸惑っている企業も少なくないとみられる。

個人情報保護委員会は相談体制を充実させるとともに、指針を補う情報も随時追加してほしい。

改正法で定めた新ルールでは、第三者から個人情報の提供を受けたとき、その経緯の確認や記録を一定期間にわたり保存することが義務づけられる。

指針がフェイスブック上の個人プロフィルを義務の対象から外すなど、企業に過度な負担がかからないよう配慮したのは当然だ。

気がかりなのは、中小企業の対応が遅れていることだ。改正法はそれまで除外されていた中小企業を含む全事業者に適用される。17年春とされる全面施行まであと数カ月しか残されていない。

従業員などが不当な利益を図る目的で個人情報を提供したり、盗用したりした場合は、懲役または罰金が科せられる。政府は中小企業に新ルールを周知徹底しなければならない。

個人の好みや行動といった膨大なデータを集めて分析し、ビジネスに活用するのは世界の流れだ。法制面ではようやくそのための環境が整った。

個人情報の適正な取得、利用、保管、提供を通じてプライバシー保護に万全を期しつつ、新たな事業や雇用の創出につなげることができれば、日本経済を活性化できる。その主役となる企業はいっそう取り組みを加速してほしい。

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