2017年12月15日(金)

メリージェニー、インスタで発売前商品PR

コラム(ビジネス)
2016/12/3 6:30
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 中堅アパレルのマークスタイラー(東京・渋谷)の10~20代向け婦人服「メリージェニー」がSNS(交流サイト)好きをひきつけている。一般顧客が入れない展示会で発表したものを含め、発売前の商品をインスタグラムなどに投稿。通販サイトに誘導して先行受注する。丁寧に撮影した写真で拡散してもらい、その反響を店頭の品ぞろえにも生かしている。

写真映えする商品をインスタグラムなどで紹介する

写真映えする商品をインスタグラムなどで紹介する

 メリージェニーは販売員や読者モデルを経験した吉河唯氏がディレクターを務めるブランド。かわいらしいテイストを基調に、クマのモチーフや大きいフリルを付けるなど「ちょっとクスッと笑えるような服が見つかる」(古河氏)。主張のあるデザインが多いため、写真を撮った時に見栄えがいい。

 顧客はSNS好きの大学生が多いといい、インターネットを通じた情報発信には敏感だ。卸先や雑誌向けの展示会で毎回お薦めの商品を選び、通販サイトで先行予約を実施する。

 今春にクマの形のスマートフォン(スマホ)ケースをSNSで紹介すると「かわいい」とすぐ反響があり、先行予約が2500件にのぼった。秋になってからも街中で撮った写真を「スタバでクマ」などと投稿している購入者がいたという。

 展示会には一般消費者は入れないため、そこで並べる商品の情報を共有すれば特別感も増す。8月に開いた秋冬商品の展示会でもクマのポシェット(税別7900円)などを消費者向けに紹介し、10月から順次店頭にならべている。

 SNSを通じて情報が広まった状態で店で売り出すと、ネットで予約した顧客が追加の色を探しに来たり、予約しそこねた人が買い求めに来たりするという。反応や予約数を見て店で仕入れる数も調整するため、店頭の品ぞろえ改善にもつながっている。

 展示会のものだけでなく、翌月に売り出す商品も常にSNSで拡散している。先行予約で完売することも多く「待ち構えている消費者もいる」(吉河氏)。受け付け開始の10~20分で一気に注文が入るという。

 SNSに使う写真のために、週に3~4時間は撮影の時間を設ける。なるべく外で撮影し、色調などの加工も施して世界観が出せるようにしている。「若い子は敏感だから、丁寧に撮った写真はリグラム(インスタグラムでの再投稿)してくれたりする」(吉河氏)

 実店舗はまだ都内に2店しかないが、2012年にブランドを立ち上げてからネット通販を順調に伸ばしている。ネット通販の売り上げは15年比で毎月60~80%増と右肩上がりだ。

 初めからフェイスブックとブログは使っていたが、14年ごろにインスタグラムとツイッターを使いはじめてから「拡散のスピードが急激に速くなった」(同社)。

 SNSで「フォロー」したり「リグラム」したりすると抽選でプレゼントが当たるイベントなども定期的に打ち出し、顧客との接点作りにも取り組んでいる。プレゼントが当たった顧客が、そのプレゼントをSNSで拡散するなど好循環が生まれている。

 店頭とネット通販の売り上げはほぼ同等で、顧客の約4割は通販サイトと店舗のどちらにも訪れる。今後は店舗も3年間で5~6店に増やしたいといい、SNSでのこまめなコミュニケーションを続けながら、実店舗との相互送客を目指す。(奥津茜)

[日経MJ2016年11月30日付]

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