2019年4月19日(金)

4選目指すメルケル氏の難路

2016/11/23 3:30
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ドイツのメルケル首相が2017年秋の連邦議会(下院)選挙に首相候補として出馬すると表明した。保守系与党、キリスト教民主同盟(CDU)の党首として選挙戦を率いる。東西ドイツの統一を遂げた1982~98年在任のコール元首相に並ぶ4選を目指す。

22日で在任11年と主要7カ国(G7)首脳で最長のメルケル氏は国際舞台で群を抜く安定感を示す。一方、国内では中東などからの難民の大量受け入れが不評を買い、支持率が低下傾向にある。出馬表明でも「かつてなく厳しい選挙になる」と、笑顔はなかった。

メルケル氏はユーロ圏の債務危機やロシアのクリミア侵攻にともなうウクライナ危機で巧みな調整力を発揮した。今後も欧州や世界の難問打開に向けた手腕に期待が集まる。任期中最後の外遊でベルリンを訪れたオバマ米大統領は「自分がドイツ人ならメルケル氏に投票する」とまで言った。

英国が国民投票で欧州連合(EU)からの離脱を決め、米国は政治家経験がないトランプ氏を次期大統領に選んだ。フランスのオランド大統領への支持が低迷し、イタリアのレンツィ首相が狙う憲法改正には国民の反対が根強い。EU、そして世界政治の軸として、ドイツの役割は重くなる一方だ。

だが再選は盤石でない。反移民の民族主義政党「ドイツのための選択肢」(AfD)の支持率が10%台で推移し、既存政党による安定した政権の樹立は一段と難しくなる。大連立の相手である社会民主党など左派政党が結集し、政権を奪う展開も起こりうる。

メルケル氏への支持は、有力な対抗馬がいないという有権者の消去法的な選択の表れでもあろう。

長期政権が陥りがちなマンネリを排し、内外経済に利益となる内需の促進や社会保障の改革にどう取り組むか。米国優先主義を唱えるトランプ氏、来年3月までにEU離脱を通告する意向のメイ英首相との関係をどう構築するか。メルケル氏はこうした点でドイツの針路を明確に示してほしい。

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