2019年4月25日(木)

長期化する韓国の政治混乱を憂慮する

2016/11/23 3:30
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韓国の政治混乱は深まるばかりだ。朴槿恵(パク・クネ)大統領の友人による国政介入疑惑をめぐり、検察は友人ら3人を職権乱用などの罪で起訴するとともに、大統領が「相当部分で共謀関係にあった」と認定した。

起訴されたのは大統領と40年来の仲という女性の友人と、大統領府高官だった2人の側近。機密文書を友人に流出させたほか、友人が実質支配する財団への資金拠出を大企業に強要した罪などに問われた。検察は大統領が犯罪の相当部分に加担したとし、「容疑者」として捜査を続けるという。

韓国で現職大統領が容疑者扱いされるのは前代未聞だ。大統領は任期中は原則、刑事訴追されないものの、事態の深刻さを改めて浮き彫りにしたといえる。

大統領側は起訴内容を「全く事実に反する」と反発し、大統領が公約していた検察の事情聴取を拒否する方針を表明した。政府から独立した特別検事の聴取には応じるというが、より厳しい捜査が予想されるだけに、聴取を先延ばしする口実との見方もでている。

検察の発表を受け、野党側は大統領の弾劾手続きの準備に着手した。ただ、仮に国会が弾劾を決議しても、憲法裁判所による最長180日間の審理が控える。このままでは政治混乱が長期化しかねず、深く憂慮せざるを得ない。

大統領は「国政はいっときも中断できない」と続投の意思を示しているが、大統領の支持率は1ケタ台に低迷する。市民集会も各地で開かれ、退陣を求める世論が日増しに強まっている。

朴大統領は「信頼」を信条に掲げる。一連の疑惑で失った国民の信頼を少しでも取り戻すつもりなら、まずは検察の聴取に速やかに応じ、真相を明らかにするのが筋だろう。早期の事態収拾は国政を担う指導者の責務でもある。

政治混乱が長引けば外交への影響も避けられない。大統領はペルーのアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議を欠席した。来月にも東京で開かれる日中韓首脳会談の出席は大丈夫なのか。

北東アジアはとくに、核の挑発を続ける北朝鮮の脅威にさらされている。日韓はようやく北朝鮮などの情報を共有する軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を閣議決定し、きょうにも署名する。大統領追及で勢いづく野党側は反対しているが、韓国の国益を踏まえた冷静な対応を求めたい。

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