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トランプ氏に同盟の価値をどう説くか

世界が注目する初顔合わせになることは間違いない。日本だけでなく、国際社会の懸念を伝え、成果のある会談にしてもらいたい。

安倍晋三首相は17日、米次期大統領のトランプ氏とニューヨークで会談する。日本の首相が就任前の次期大統領に会うために米国を訪れるのは異例だ。会談の焦点は同盟関係と自由貿易の大切さをどう説き、理解を引き出すかだ。

米軍の駐留費をもっと負担しなければ同盟国を守らない。選挙中、こんな趣旨の発言を続けてきたトランプ氏には、日本や韓国はもちろん、ロシアとの緊張が高まる欧州の同盟国も懸念を抱く。

とはいえ、他人の助言をすんなり聞くようにはみえないトランプ氏を説得するのは、簡単ではあるまい。ただ「日米安保体制を大事にしてほしい」と促すだけでは、逆効果になる可能性がある。

彼は日米や米韓、米欧の北大西洋条約機構(NATO)といった同盟関係は、米側の持ち出しが多く、公平ではないと考えている。

この認識を改めさせるにはまず客観的なデータを示し、理解してもらうことが第一歩だ。在日米軍基地を維持するため日本は多くの資金を払っている。基地が集中する沖縄の社会的な負担も大きい。

だが、これらの説明だけでは不十分だろう。トランプ氏の根底には「米国は日本を守るのに日本は米国を守らない」という不満があるからだ。事実関係だけみれば、あながち間違った指摘ではない。

この批判に反論するには、日本はお金を払うだけでなく、憲法が許す範囲で米軍の活動を物理的にも支援していくとの姿勢を示すことが欠かせない。

今春施行された安全保障関連法にもとづき、日本は同盟強化へどんな役割を果たすのか。できるだけ、具体的にトランプ氏に語りかけることが大事だ。

会談のもうひとつの重要課題が、米次期政権が保護貿易主義に傾かないよう働きかけることだ。

トランプ氏は選挙期間中、環太平洋経済連携協定(TPP)からの撤退を表明している。いきなりこの公約を撤回してほしいと言っても、聞き入れるとは思えない。

まず目指したいのは、TPPの「合意破棄」を少なくとも正式表明しないよう思いとどまらせることだ。そのうえでTPPの米国への恩恵を説き、この枠組みの破綻を回避する道を探るしかない。会談をその足掛かりにしたい。

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