トップ > 社説・春秋 > 記事

社説

フォローする

Myニュース

有料会員の方のみご利用になれます。
気になる連載・コラムをフォローすれば、
「Myニュース」でまとめよみができます。

農家が利用するコメ先物に

2016/10/31 3:30
共有
保存
印刷
その他

 コメ先物を上場する大阪堂島商品取引所が「新潟コシヒカリ」の取引を始めた。堂島商取の先物は国内で唯一の公設取引所で決まるコメの価格指標だ。来年8月までの試験的な上場期間内に課題の売買高を増やし、コメ先物を存続してもらいたい。

 堂島商取は業務用米を対象にした「東京コメ」、一般的なコシヒカリを指標化した「大阪コメ」を上場している。特定産地に的を絞った上場商品は初めてだ。

 コメ先物を管轄する農林水産省はこれまで2回、取引所に対して試験的な上場期間の延長を認めている。ただ、3度目の延長は認めない方針で、現行期間が上場廃止を回避する最後の機会になる。

 コメ先物が本格的な上場に移行できない最大の要因は売買高の少なさだ。取引を増やすためには売り手である農業法人や農業協同組合の市場参加が欠かせない。

 そのため、新潟コシヒカリは生産者が利用しやすいよう現物で決済する場合に新潟県内の倉庫で受け渡せることにした。売買単位も既存の上場商品に比べ小さくしている。こうした利便性の向上は評価できる。

 先物市場には公正な価格を形成するだけでなく、生産者や需要家の企業が価格をあらかじめ固定し、経営に役立てる役割がある。コメの先物取引にはすでに大手卸などが参加しており、シカゴ穀物市場のように生産者が積極的に利用する姿をめざしてほしい。

 堂島商取は取引の利便性向上に加え、生産者や農協に先物の役割や利用の仕方をわかりやすく説明する必要がある。

 政府は農業の競争力を高めるカギに農家の経営感覚を挙げる。コメ先物の存在は、市場の動きを注視するだけでも農家の意識改革につながるはずだ。政府も農家に市場の利用を促してもらいたい。

 政府は2018年にコメの生産調整(減反)をやめる。主食米の過剰解消は補助金による転作誘導に頼らず、市場の機能をいかす政策に転換すべきだ。

社説をMyニュースでまとめ読み
フォローする

Myニュース

有料会員の方のみご利用になれます。
気になる連載・コラムをフォローすれば、
「Myニュース」でまとめよみができます。

共有
保存
印刷
その他

電子版トップ

【PR】



日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報